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あんたなんかやめちゃえ１ ページ26

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ヒロインside



ドラマの放送が始まった。

東海地方しか放送されないけど、ブログに見たよってコメント書いてくれてた子もいた。

お芝居なんて初めてでわからないことだらけだけど、周りの人たちに支えられてなんとかやってる。



今日はドラマの撮影はなくて、研究生のレッスン。

久しぶりに頼我以外のメンバーと会うや。

トウキョウのみんなは元気かな。

ラインしたりとかしてるけど。

撮影中はずっとこっちだし、こんなに長く東京を離れるの、初めてだなぁ。



『―――Aちゃんですか？』



駅の近くを歩いてたら、話しかけられた。

女の子２人組。

わたしのことを知ってる。


でも―――わたしのファンじゃない。

だって、怖い顔してんもん。


『あの、頼我くんに手ぇ出さないでください』


…は？

この子たち頼我のファンか。

ドラマ見てるんだろうな。


放送初回から、頼我とのキスシーンが流れた。

リアコにはきつい画だったんだろうな。


「ドラマで共演してるだけだから。頼我とはなんともないよ」

『それでも、嫌な思いをしているファンはたくさんいるんです』


思わず眉根が寄った。

わたしに言われてもどうにもならないことだった。


『他のメンバーとも仲いいし、はっきり言ってAちゃんの存在は不快です』


…そんなこと初めて言われた。

ショック、だった。

わたしは言葉が出てこない。

ドラマで頼我とラブシーンがあるのは仕方ないって割り切ってほしいけど。


プライベートでメンバーと仲良くしてるのはわたし自身で、いくらだってコントロールできる。


『研究生やめてください』

「―――」


痛い。

わたしより年下の、中学生か高校生くらいの女の子に、攻撃されるなんて。

研究生やめろって。

なんでそんなこと、言われなくちゃいけないの―――？


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