物足りない ページ6
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北山side
誘われたから流されてホテルに行った。
気持ちいけど、別に。
フツー。てか。
抱きながらAがいいなって思った。
全然満たされない。
北「俺帰るからさ、ゆっくりしてきなよ」
『え…帰っちゃうの?』
情事後独特の色気に溢れていたけれど、
俺は残念ながらなびかないかな。
北「明日も仕事だもん。じゃあね」
Aと会ってるときは、朝から仕事だろうと泊まる。
興味ねぇ女と一晩を過ごしてもなんのメリットもない。
俺を落とすテク身につけてから来てね、なんて。
北『A起きてる?今から行ってもいい?』
『大丈夫です』
よかった、と口元に笑みを浮かべる。
ホテルを出てタクシーを拾う。
Aんちの住所を伝えて向かった。
北「ごめんね、こんな時間に急に」
「いえいえ。どうしたんですか?あ、なにか飲みます?」
北「ん?」
Aを抱きしめた。
北「こういうことしに来たに決まってるじゃん」
中途半端にくすぶってる欲望を満たしてよ。
「…北山くん、知らない匂いします」
北「やってきたから」
「…」
北「でも全然足りなくて」
「わたし北山くんの都合いい女じゃないんですけど」
北「最中Aのことしか頭になかったんだよ。
おまえでしかきもちよくいけねぇ」
「…なんていう殺し文句」
北「Aのこと抱かせて」
ダメ男の願いをさ、叶えてよ。
「流されちゃう自分も悔しい」
北「ははっ」
「北山くんがかっこいいからいけないんです」
北「俺かっこよくてよかったわ」
Aの頬を捉えてキスをする。
あの女とは、キスはしなかったよ。
好きでもないのにしたくないね。
Aの服を脱がせて。
お互いの匂いになるくらい、溶け合おう。
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作者名:わたあめなのは | 作成日時:2022年9月20日 15時