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カフェを出て歩いていたら、
近くにいた女の子たちがわたしたちに気づいたそぶりを見せた。
『えっ、えっ?』
『キスマイの藤ヶ谷じゃない?』
『隣誰?』
『あ、HiHiの子?』
変装してるのにめちゃくちゃバレてる。
わたし遠目だったら太輔くんってわかんない自信あるのに←
『なんか噂あったよね。マジだったんだ』
これはちょっと、まずい状況かも。
遭遇情報出ちゃう。
太輔くんを促して、離脱しようと思ったら。
―――手をつながれた。
うわぁ…!
隠さなきゃいけないだろうに、見せつけるってどういうこと?
女の子たちの会話が、驚きからか止まった。
手をつないだまま女の子たちから離れる。
「太輔、くんっ」
藤「いいよ」
「え?」
藤「Aとだったら撮られてもいい。
むしろもう、交際宣言出したい」
「…」
わたしが無言だったからか、
前を向いていた視線がわたしを見て。
藤「…困る?」
「ううん…その、いいのかなって」
藤「わかんねぇけど。そんくらいAんことマジだからさ」
自分ばっかり、わたしのこと好きって思ってんのかな。
そんなの勘違いだ、
わたしだってこんなに太輔くんのこと好きなのに。
それから太輔くんとは手をつなぎっぱなしだった。
停めていた駐車場に戻り、車に乗る。
すると、太輔くんからキスされた。
藤「車戻ったらキスするっつったろ」
「…うん」
かっこいい顔が近づいて、もう1回。
他の人も出入りする駐車場なのに。
頬を捕らえられて深くされて、止まらなくなりそう。
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作者名:わたあめなのは | 作成日時:2022年9月20日 15時