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橋「Aのストレスを少しでも和らげて
あげられていたなら、俺はそれでいいよ」
「…優しい」
橋「えぇ？泣いてんの？」
泣いてた。
だって、わたしが悪いのに。
涼はわたしを責めないんだもん。
ふとぬくもりに包まれた。
涼に頭ごと抱きしめられてて。
橋「俺は大好きな人を抱けて幸せでした」
大好き、って。
それはどういうこと。
どういう大好きなの？
驚きで涙が一瞬止まる。
離れた涼は、口角を上げて笑ってて。
橋「これからも変わらず、メンバーとしてよろしくね」
わたしの心の中で、確実になにかが失われた、気がした。
メンバー以外だったら、こんな気持ちにはならない。
共に歩んできたメンバーを、傷つけてしまった。
「ごめ…」
橋「大丈夫だよ。泣かないで」
「わたしも、涼のことは大好きだよ」
橋「…ああもう」
再び涼に抱きしめられる。
やっぱりずるい自分が出てきてしまう。
切らなきゃいけないのに、失いたくない。
あとから痛い目を見るかもしれないのに。
どうしても、涼は仲間だから。
彼氏ができたなんて嘘だよ、だから今からしよう。
なんて言っても涼はきっと、わたしの嘘を見抜く。
それに内緒で涼との関係を続けたとして、
太輔くんにバレたら、太輔くんを傷つけてしまう。
だからわたしができるのは、ひとつだけ。
涼とただの仲間に戻ること。
もうキスしたり体を重ねたりはしないから、
ハグくらいは許して。
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作者名：わたあめなのは
| 作成日時：2022年9月20日 15時
