. ページ45
.
お仕事だから撮影はちゃんとこなして。
あっという間に終了した。
っていっても、開始時間が遅かったから、もう夜なんだけどね。
『今日花火大会あるんだよ』
「ほんとですか?」
スタッフさんが教えてくれた。
『よかったら屋上で2人で見てきなよ』
花火…見たい。
忙しくて見に行く余裕なんてなかった。
北「せっかくだからこのまま浴衣着てていいっすか?
汚さないんで」
『大丈夫ですよ』
北「っしゃ。A、行こう」
浴衣で花火なんて何年ぶりだろう。
途中自販機で缶ビールを購入して屋上へ。
椅子に座って花火が始まるのを待つ。
観覧スポットは花火を見る人たちで混雑しているだろうけど、
こうしてゆっくり特等席で見られるなんて嬉しい。
「「かんぱーい」」
北山くんと缶を合わせて煽る。
仕事のあとのビールだー。
今日はごほうびが多いな。
空が明るくなり、1発目が上がった。
北「お、始まった」
「わぁ」
どんどん打ち上げられていく花火。
綺麗だし、この場所とっても見やすい。
ビール飲みながら花火見てるなんて贅沢な時間。
夢心地で花火を眺める。
と、北山くんに手をつながれた。
雰囲気作ってきてるなぁ。
ま、いっか。
頭ふわふわして、拒む気になれないの。
空に絶え間なく花火が上がり続ける。
クライマックスだ。
バンバンと弾ける花火の音。
ぼーっとしている頭。
北「A」
体が触れて、唇も触れた。
なんにも、考えらんない。
北山くんに腕を掴まれて、キスを続けてる。
この夢見心地を、覚まされたくない。
.
670人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:わたあめなのは | 作成日時:2022年8月23日 15時