また1人 ページ35
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事務所に寄ったら北山くんと会った。
北「よっ」
「お疲れ様です」
北「1人?」
「はい。打ち合わせに来てて…」
北「あ、あれ見たよ。グラビア」
「ひあぁ、北山くんにも見られてた」
わたしの連絡先を知っている人からは連絡が来たし、
会う機会があった人からは直接言われた。
なんでみんなそんなわたしのグラビアのこと知ってるんだろう…。
そしてわざわざ雑誌買って読んでくれてるんだろう…。
ありがたいことではあるけど恥ずかしかった。
北「Aってあんなにえろいんだ、って意外だったな」
「うまくカメラマンさんに乗せられました」
北「あれはAの素のえろさなんじゃない?」
「もう!知らないじゃないですか!」
あははと笑われる。
北「そういえばさ、最近藤ヶ谷と仲いいの?」
おっと、核心を突く質問だ。
藤ヶ谷くん、わたしとの関係を
誰かに言ったりしてるのかなと怪しんだりもしたけど、
たぶん誰にも言ってないだろうなぁ。
「そうですねぇ、よくしてもらってます」
北「…へぇ」
北山くんの瞳の奥が光る。
北「付き合ってるわけじゃないんだ」
「そんな、恐れ多い」
北「それじゃあ」
北山くんが迫ってきて、壁に背がとんっと当たった。
北「俺と付き合うことできるわけだ」
「…」
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作者名:わたあめなのは | 作成日時:2022年8月23日 15時