. ページ22
.
誰にも聞かれたくなくて、空いている部屋を使わせてもらった。
テーブルを挟んで向き合って座る。
藤ヶ谷くんに送られて来たってことは…
昨日泊まったってことだよな。
ってことは。
じーっ。
「??作ちゃん??」
作「ああ。ちょっとAに聞きたいことあって」
「なぁに?」
作「藤ヶ谷くんと付き合ってるの?」
Aは俺を見たまま固まった。
だけど。
「付き合ってないよ」
あっさりと返してきた。
作「え?俺見たんだけど。
藤ヶ谷くんにここまで送ってきてもらったでしょ」
「あー…見られてた」
作「それに…キスしてたよね」
それでも、付き合ってないっていうの?
作「付き合ってることが悪いことだと思わないし、
誰にも言うつもりもないよ」
Aは困った顔をした。
言いたくないのかな。
「…ほんとに付き合ってないよ」
作「…」
嘘は、ついてない。
それじゃあなんで、と俺の疑問は膨らむばかり。
「確かに藤ヶ谷くんにはお世話になってるけど。それだけ」
俺から視線を逸らす。
こんなときでもAの顔は美人だと改めて思った。
.
669人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:わたあめなのは | 作成日時:2022年8月23日 15時