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誰にも聞かれたくなくて、空いている部屋を使わせてもらった。


テーブルを挟んで向き合って座る。


藤ヶ谷くんに送られて来たってことは…
昨日泊まったってことだよな。


ってことは。


じーっ。









「??作ちゃん??」


作「ああ。ちょっとAに聞きたいことあって」


「なぁに?」


作「藤ヶ谷くんと付き合ってるの?」









Aは俺を見たまま固まった。


だけど。









「付き合ってないよ」









あっさりと返してきた。









作「え?俺見たんだけど。
藤ヶ谷くんにここまで送ってきてもらったでしょ」


「あー…見られてた」


作「それに…キスしてたよね」









それでも、付き合ってないっていうの?









作「付き合ってることが悪いことだと思わないし、
誰にも言うつもりもないよ」









Aは困った顔をした。


言いたくないのかな。









「…ほんとに付き合ってないよ」


作「…」









嘘は、ついてない。


それじゃあなんで、と俺の疑問は膨らむばかり。









「確かに藤ヶ谷くんにはお世話になってるけど。それだけ」









俺から視線を逸らす。


こんなときでもAの顔は美人だと改めて思った。




.

.→←知ってもいいけど



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作者名:わたあめなのは | 作成日時:2022年8月23日 15時

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