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浮「俺との共通点減らさないでよ」
「浮所のせいではないってことは言っとくね」
浮「Aと会う機会減っちゃうじゃん」
「別のとこで会えばいいよ。会う機会なら作る」
それほどにわたしは―――クイズ部でいることに疲れちゃったんだ。
「台本覚えてるときにごめん、邪魔した」
立ち去ろうとしたとき、浮所に抱きしめられた。
「飛貴、」
浮「Aの苦痛になるなら止めないよ。
でもその前にさ。俺とクイズ番組出てよ」
わたしは何度、浮所を裏切ってきたんだろうな。
「ねえ、なんでわたしなんかが好きなの？」
こんな女。
浮所には見せてない、言ってない、
汚い部分がたくさんあるよ。
浮「初めは、綺麗な人だなって。
でも中身がへんてこりんで、そんなとこも魅力的だった」
「…」
浮「一緒にいれたら絶対楽しいなって思ったんだよ」
「…一緒になら、今もいるよ」
共演多いもん。
楽しい気分になりたいなら、今のままで十分でしょ。
浮「違うよ。ドライブデートみたいなことまたしたいし、それに」
浮所の顔が近づく。
浮「キスして気づいた。Aとそれ以上のこともしたい」
涼や那須みたいに誘えば、すぐに乗ってくれる。
でもそうしなかったのは。
「…わたしも浮所のこと、大切に思ってんのかも」
浮所にとって残酷なことだね。
だってわたしがどうも思っていない相手の方が、
先に進んでいるんだもの。
浮「俺はいつでも待ってる」
触れるだけのキスをされた。
わたしが浮所のものになる未来はあるのかな。
わたしは浮所と目線を合わせられない。
確信がない。
可能性も高いとは言えない。
だったら今のうちに、フッてあげたほうがいいのに。
キープしてるみたいで、罪悪感がすごい。
それでも、浮所の顔を曇らせたくないの。
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作者名：わたあめなのは
| 作成日時：2022年8月23日 15時
