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「ぜんっぜんクールなんかじゃないです。
むしろいじられキャラです」
藤「ははっ、わかる。AってMなとこあるし」
なんで!そういうこと!言うかな!
藤「ほらまた顔赤くなったよ。否定しないし」
「藤ヶ谷くんはSだ」
藤「そうだね。いじめたくなっちゃうや」
にやっと不敵な笑みを浮かべて覆いかぶさってくる。
ちゅっと唇を奪われて。
藤「サマパラ終わるまではおあずけだからね。
今日たっぷりしとかないと」
「…はい」
急に色気で制してくるのもやめてほしい。
メロメロすぎちゃうほんと。
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翌日事務所で打ち合わせがあって、車で送ってもらった。
「わざわざすみません」
藤「俺も稽古行きがてらだし、気にしないで」
こんなふうに紳士的なのに、昨夜は。
藤『ここきもちいの?』
『あっ…』
藤『ほら、言わなきゃしてあげないよ』
わかってるのにわざとそんな攻め方された。
おかげで恥ずかしいこといっぱい言わされた。
あげく、
藤『年下の美女をいじめるのって楽しいね』
笑顔で言うことじゃない。
昼間は紳士、夜は悪魔だよこの人…。
事務所の近くに車を停めてくれた。
藤「行ってらっしゃい」
「藤ヶ谷くんも、お稽古頑張ってくださいね」
車から降りた、けど。
藤「A、忘れ物」
忘れ物?
振り返ったら手招きされたから、片膝を助手席に乗せて。
ちゅっ。
「…」
藤「…ぷっ」
ああまた、意地悪だ。
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作者名:わたあめなのは | 作成日時:2022年8月23日 15時