【Fischer's】私とお隣さんの事情

23話 ページ23

マサイに会わないで...2週間が経った
自分があの時、マサイに言ってから
マサイとは...全然会わなかった

.....これが自分の決めた道なんだ＿＿
何、悲しくなっているんだ...

＿＿＿今は、それより
大事な事があるだろう.....

『.......はぁ...金欠か..』

此処で暮らし始めて、初めてお金で困った。
.......給料日まで....後3日くらいだし...
1日、食パン1枚くらいで踏ん張るか...

金欠の中...1つの対策を練り
私はふと、スマホに目線を送った...

『.....翔瑠から、着信来る訳ないか.......』

＿＿＿＿あんな風に、拒絶してしまったんだ...


......................................................

あれは、夜の事だった

「Aっ.....話を聞けよ!!」

翔瑠と私は、"ある事"が発覚して揉めていた

『嫌だ...嫌だ...触らないで!!
＿＿＿＿私に、近付かないで!!』

...その時.....翔瑠は、私の腕を掴んできて＿＿

「.......A、誤解なんだ..
落ち着いて聞いてくれ」

『イヤだ...イヤだ...っ...信じてたのに...!!
アンタだけは、信用してたのに...っ...』

私は、思いっきり翔瑠を突き放して.....


私を...追いかけていた翔瑠は

飲酒運転をしていた車にはねられた＿＿＿＿

......................................................


あの後、救急車で運ばれた翔瑠は
一命を取り留めたけど＿
利き手だった左手を少ししか動かす事が
出来なくなってしまった...

『＿＿＿あの時、あの場で...翔瑠としっかり
話していれば.....こうならなかった筈なのに...な』

＿＿＿私は、負傷した彼を見捨てて逃げてしまった
.....本来なら、彼女なら支えてあげるべき...とか
言われても仕方が無いけど...

その時の私には＿＿そんな気持ちが何1つ無かった

.....今でもそうだ.......私が、私自身が
傷付くのを怖がっている

──＿＿っ...お前なんか...産まれなければ...っ───

...もう、あんな思いをしたくないんだ.......

私が肩を震わせて体を小さくしていると...
着信音が鳴った

...誰?

翔瑠では無く、まったく知らない電話番号だった
私は恐る恐る出た.....

「.....Aさんっ!!俺だ!!シルクだ!!」

シルクだった...でも...何で.....?

「シルク、そっちは?」

「まだ見つかんねぇ」

モトキくんの声が聞こえる

『え、何...どうしたの...』

「＿＿＿＿＿＿＿＿」



















「マサイ、1週間前から何処にも居ねぇんだ!!」

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