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「…っ…」
どうしようもない高揚感を感じた。
全部あげるとは言われたが、
『すき』と彼女に直接言われたのは、
初めてのことだった。
死柄木の目を見て、微笑みながら言ってから、
反応が無いのが恥ずかしいのか、
彼女の頬は徐々に紅く染まっていく。
「………はは、」
「わ、」
彼女を引き寄せる。自分の胸元に沈み、
まだはにかんで死柄木を見詰める彼女の耳は赤い。
その耳に柔らかく触れる。
「俺も、愛してる」
喜びを表す様に、伝わる様に、額にキスを落とす。
瞼、頬に。唇にしようとして、
彼女は死柄木の口を手で塞いだ。
「きっ、汚いから、お風呂入ってくる…」
不満げに何かを言おうとする死柄木を制して、
彼女は急いでシャワールームへと走って行った。
「………はあ、」
風呂場に乗り込んでやろうか、とも思ったが、
彼女はそれで喜ぶような人ではない。
落胆を抱えて階段を登る。
「あ、とむらくん！」
トガがジュースを飲みながら死柄木を呼んだ。
酒場には、敵連合の大所帯が出来上がっている。
トガ、黒霧、荼毘、トゥワイス、コンプレス、マグネ。
その他は彼女に対して危険性があるため、
彼女を迎え入れる為には不向きと判断した。
「あらあら、どうしたのそんな顔しちゃって」
「苛ついてんのか！嬉しそうだな！」
マグネがうふふと笑う。
トガも隣で嬉しそうに笑っている。
「Aちゃんどうですか？だいじょぶですか？」
「ああ」
死柄木はソファにぼす、と音を立てて座った。
「後始末はちゃんとしただろうな」
「ええ、もちろん。ヒーローは腕も無くなったし、
適当にミスターが個性解除して置いてきたわ」
「今頃、港は火の海だろうなぁ？」
荼毘が楽しそうに笑う。
痕跡を無くす為、
優の血痕すら見つからない様に、
コンテナを中心に全てを燃やした。
今頃彼女は死亡扱いか、誘拐されたことになっているだろう。
雄英も、2度も生徒が行方不明になり、
一部のメディアが騒ぎ始めている。
「大層か弱そうなお嬢さんだったね、
驚いたよ」
コロ、とコンプレスは手元の硝子玉を転がした。
優の死体が詰まっているその硝子玉を、
死柄木の方へ放り投げる。
「お嬢さんにとって大事なら、それは返さないとね、
よろしく、リーダー」
死柄木は掌の上の硝子玉を転がす。
あんなに命を賭けて、
この死体が彼女に与えたものは、
心の傷と罪悪感。
彼女が求める自由も愛も言葉も全て、
お前の代わりに俺が与えてやるよ。
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maro(プロフ) - こういう弔くんの夢小説を探していたんです......!!!見事にどっぷりハマりました👍🏻 ̖́-︎続きを気長に待ってます！！ (4月12日 14時) (
レス) id: 89c84e5ca3 (このIDを非表示/違反報告)
もあ(プロフ) - すごい考えられた話で たまげました！とむとむのこうゆうお話あまり無いのですが、どストライクすぎて何回も読ませていただきました🥰お忙しいとは思いますが、続きを楽しみにしています！ (8月16日 20時) (レス) id: 595898a75e (このIDを非表示/違反報告)
ノア - わぁぁ！めちゃくちゃ続き気になります！！夢中で読んでしまいました！笑続き待ってます！ (2022年7月13日 14時) (レス) @page44 id: da656baae2 (このIDを非表示/違反報告)
Yo - 読んでめっちゃドキドキしてました！！ゆっくりでいいので続き楽しみにしています(^^)更新頑張ってください！ (2022年3月12日 23時) (レス) @page41 id: b7d6e0178a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - えぬえさん» 返信遅れて申し訳ないです…🙇♀️ここまで至るに随分時間がかかってしまい…亀更新なのに読んでくださり感謝しかないです…！コメントは力の源…！頑張ります💪 (2022年1月1日 1時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年9月17日 10時
