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ヒーローの頭に向けて、
其の手は伸ばされた。
「っ！」
ヒーローは咄嗟に判断が出来ず、
彼女の額に向けていた銃を、撃った。
優の腕が男の髪を掠める。
優の身体が、崩れ落ちた。
優は男に向けた手の反対の手は、
男の銃と化した腕を掴んでいた。
彼女に向けられた銃口は、
その所為で焦点が僅かにずれ、背後に居た優の方へ、銃弾は飛んだ。
壁からずる、と落ちた身体が、
彼女にもたれかかる。
優の腹部が、血に染まっている。
「……………ゆうくん？」
其の血が、床を染め上げていく。
「ぁ、」
ぐったりともたれかかる優の身体を、
震える指先で彼女は抱いた。
「っ、くそ、」
優は眉間に皺を寄せている。
腹部を抑え、首筋や額には汗が流れている。
何で。
「A、だいじょう、ぶか」
何で。
目から涙が溢れた。
「何でいつも、」
貴方は私を助けてくれるの。
何で、私のせいで貴方が罪を担って、
こんなにも傷付かないと、いけないんだろう。
「ははっ、やっぱりグルじゃないか」
男が嗤う。
彼女の肩を掴んだ。
抵抗もせずに、彼女は涙を流し続ける。
「あの子の未来のためなんだ」
「…ごめん、ごめんなさい…」
彼女の視線は優から逸れなかった。
ぼろぼろと涙を流し、うわ言の様に繰り返す。
彼女の個性では、治せない。
彼女の腕を治せたのは、皮膚上の傷だったからだ。
しかし、内臓まで届く様な傷は、
溶かして固めるのは、無理だ。
他の臓器も一緒に溶かして、くっついてしまう。
「これが、最善だろ、分かってるって」
途切れ途切れに、優が微笑んで応える。
血濡れた手で頬を撫でられ、彼女はその手に擦り寄った。
男は、今度こそ彼女の額にぴったりと銃口を付けた。
「ごめんな」
男が言う。
ぐっ、と力が込められて、ばん、と
男の腕が、弾け飛んだ。
「…………………は」
「A…？」
視界が霞んでいくのか、優は状況がわからない様だった。
不安そうに彼女に問い掛ける。
「だいじょうぶ、」
彼女は微笑む。泣きながら。
顔を歪ませて、震える声で言った。
「だいじょうぶ、私もできるよ。
できるから、お願い、いかないで」
「あ、ああ、俺の、腕」
「優くん、私、ちゃんと一緒に居る。
とむらくん、いい人だから、
きっと貴方も一緒に居られる」
無かった罪すら背負わされるのなら、
もう受け入れて仕舞えばいい。
「私も、殺せるよ……だから、だいじょうぶ」
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maro(プロフ) - こういう弔くんの夢小説を探していたんです......!!!見事にどっぷりハマりました👍🏻 ̖́-︎続きを気長に待ってます！！ (4月12日 14時) (
レス) id: 89c84e5ca3 (このIDを非表示/違反報告)
もあ(プロフ) - すごい考えられた話で たまげました！とむとむのこうゆうお話あまり無いのですが、どストライクすぎて何回も読ませていただきました🥰お忙しいとは思いますが、続きを楽しみにしています！ (8月16日 20時) (レス) id: 595898a75e (このIDを非表示/違反報告)
ノア - わぁぁ！めちゃくちゃ続き気になります！！夢中で読んでしまいました！笑続き待ってます！ (2022年7月13日 14時) (レス) @page44 id: da656baae2 (このIDを非表示/違反報告)
Yo - 読んでめっちゃドキドキしてました！！ゆっくりでいいので続き楽しみにしています(^^)更新頑張ってください！ (2022年3月12日 23時) (レス) @page41 id: b7d6e0178a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - えぬえさん» 返信遅れて申し訳ないです…🙇♀️ここまで至るに随分時間がかかってしまい…亀更新なのに読んでくださり感謝しかないです…！コメントは力の源…！頑張ります💪 (2022年1月1日 1時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年9月17日 10時
