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「どうした？箸止まってんぞ」
男が指摘する。
この男も、何人も殺した悪い人なのだろう。
トガも、マグネも。
その中に、私は居るんだ。
今更ながらに実感する。
殺人を遊びと形容するような男が居る場所で、
自分は食事をしている。
院長と同じ、怪物が居る場所。
「……………」
息を吸う。吐く。
漬物を口に入れた。
「お兄さんは、何人殺したんですか」
彼女は男の顔を真っ直ぐに見た。
「覚えてねえなあ」
笑いながら男は答えた。
「何で殺すんですか」
「そりゃ、楽しいからさ」
「他に、楽しいと思えることは、無かったんですか」
無いなあ、と間延びした声で男は答えた。
殺人にしか享楽を感じることが出来ない。
だからと言って罪が軽くなるわけでは無いが、
生まれながらにしてそうならば、
この男は自分のしたいことをしているだけだ。
いくつか質問した。
気怠そうにしながらも、男は答えてくれた。
言葉を借りるなら、遊びたいから遊んでいる。
自分が自分である為に。
「そうですか」
色んな理由がありますね、と彼女はそれで片付けた。
優の様に追い詰められた末に殺人を行うこともあるし、
この男のように殺人をしないと自分のではないと言う者もいる。
罪は消えない。でも、理由はある。
院長は、
ヒーローであったから、
名声も金も、恋人もいた筈だ。
幸せな筈だ。
私を犯した時、泣いて喚いて、何でと聞いた時。
院長は言っていた。唯、何となく、楽しいから、と。
理由が無い暴力程、恐ろしい物はない。
「ご馳走様でした」
手を合わせて、食器を片付けていく。
「んで、まだかよ。遊ばねえの」
「そうですね、」
いいですよ、と彼女は答えた。
ベッドの横にある戸棚からチェス盤を取ってくる。
「ルールは知っていますか」
「知らねえ」
彼女は説明し始めた。
分からん分からんと言いながらも、
男は彼女の説明を受けた。
・
「楽しかったですか」
「楽しくねえ」
四勝一敗。手加減したものの彼女の圧勝。
男の顔を見るに疲れた顔をしていたが、
退屈だった訳ではなさそうだ。
良い暇つぶし程度にはなったらしい。
「だが、ガキのお守りも悪くねえな。
お前が一生懸命説明すんの、無様で笑えたぜ」
嘲笑う男を見て、天邪鬼な人だ、と思った。
チェス盤を片していく。
「襲撃、頑張らないでくださいね」
「あ？頑張れだろ、そこは」
「友達が死ぬのは嫌ですから。
お兄さんが死ぬのも」
だから、程々に。
彼女は微笑んで言った。
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maro(プロフ) - こういう弔くんの夢小説を探していたんです......!!!見事にどっぷりハマりました👍🏻 ̖́-︎続きを気長に待ってます！！ (4月12日 14時) (
レス) id: 89c84e5ca3 (このIDを非表示/違反報告)
もあ(プロフ) - すごい考えられた話で たまげました！とむとむのこうゆうお話あまり無いのですが、どストライクすぎて何回も読ませていただきました🥰お忙しいとは思いますが、続きを楽しみにしています！ (8月16日 20時) (レス) id: 595898a75e (このIDを非表示/違反報告)
ノア - わぁぁ！めちゃくちゃ続き気になります！！夢中で読んでしまいました！笑続き待ってます！ (2022年7月13日 14時) (レス) @page44 id: da656baae2 (このIDを非表示/違反報告)
Yo - 読んでめっちゃドキドキしてました！！ゆっくりでいいので続き楽しみにしています(^^)更新頑張ってください！ (2022年3月12日 23時) (レス) @page41 id: b7d6e0178a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - えぬえさん» 返信遅れて申し訳ないです…🙇♀️ここまで至るに随分時間がかかってしまい…亀更新なのに読んでくださり感謝しかないです…！コメントは力の源…！頑張ります💪 (2022年1月1日 1時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年9月17日 10時
