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施設の子供達が寝静まった夜は、
とても静かだった。
「…ぅ、…………」
彼女は唸りながら課題に向かっていた。
学校を休んでいた分の課題を片っ端からこなし、
自身の個性を伸ばす為に参考論文や資料を漁っていた。
最近、トガが彼女に会いに来ない。
頻繁に会うことが難しいとは分かっていても、
予告すらなくぱたりと来なくなってしまった。
その不安を隠す為にも、
彼女は学校の課題や個性の訓練に没頭していた。
参考書をめくりながら、
ちら、と机の端に置いたままの真っ白なボードを見た。
『ヒーロー名とコスチュームデザイン用だ。
他の奴等はもう決めているから、
お前も早めに決めて持ってこい』
相澤の言葉を思い出し、
ぽつりと呟く。
「…………ヒーロー名、なんて」
自分には、要らないものだ。
ヒーロー協会推薦で入学した彼女は、
卒業後もヒーロー協会の『推薦』で、
就職先が既に決まっている。
本来なら1回目のインターン先も決まっていた。
死柄木が彼女を誘拐し、
予定が大幅に狂ったのを修正するかのように、
最近はヒーロー協会の役員が頻繁に彼女を訪ねてくる。
ヒーロー名も、彼女が自分で決めるよりも先に、
ヒーロー協会の方から口を出されるだろう。
施設の子供達は、嬉々としてヒーロー協会がそれぞれ適性だと判断された進路先へ歩んでいく。
拒否することも可能だったが、
そうしなかったのは、周りの圧だけでなく、
『ヒーローを疑ってしまう普通じゃない自分』を、
変えたいと思ったからだった。
『ヒーロー』という存在に、
皆と同じように憧れて、
自分もその『ヒーロー』になれば、
自分のような子供達も助けられるのではないかと思った。
実際、ヒーローを目指すクラスメイト達は、
輝いていて、眩しくて、羨ましかった。
______________『何言ってンだ、てめぇ』
嫌なことを思い出して、思わず顔に手を当てた。
「っ、」
紙ぐしゃりと握ってしまい、我に返った。
私は、あんな風にはなれない。できない。なりたくもない。
とむらくんの元に帰りたい。
やりたくないことはやらなくてもいい場所へ。
自分が持ってる全部を捨てて、
相応しくない場所から逃げたかった。
だから、
ヒーロー名もコスチュームも、書けなかった。
「…ねえさん、」
突然の声に驚いて振り返った。
施設の子供の1人が、彼女の後ろに立っていた。
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華羅夢(プロフ) - ぽいぽいさん» 何ですって！！ぜひ死柄木くん推しになってくださいな！！彼は魅力的な男です！！コメント嬉しいですありがとうございます････！ (2021年9月19日 8時) (
レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - この作品で死柄木くん推しに傾きつつある…好きです応援してます頑張ってください!（ノンブレス） (2021年9月19日 7時) (レス) id: 1142a6ee8a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - れのまるさん» うわああありがとうございます･･････！コメントが1番のモチベになるのですごく嬉しいです！頑張りますね！ (2021年9月14日 14時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
れのまる - 死柄木さん最推しなのでこの作品めっちゃ好きです…！これからも応援してます！ (2021年9月14日 7時) (レス) id: ce403bbca4 (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - しいたけさん» しいたけさん、もしかしなくても2回目のコメントですか･････････？コメント来るのが1番嬉しいので、大喜びで話を書いてしまいました！楽しんで頂けて何よりです！！ありがとうございます！ (2021年9月11日 10時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年8月23日 1時
