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「とむらくん、変ですねぇ」
連合に来たばかりの少女が、
うふふと笑った。
酒を飲んでいた死柄木は、
不機嫌な様子で聞き返した。
「……何が」
「Aちゃんが好きなら、早くちゅーぅってしちゃえばいいのに」
私だったらステ様にします、と唇を尖らせた。
トガは黒霧から聞く死柄木の恋路が進まずじれったそうにしていた。
「…きっと嫌がる」
不安そうに死柄木はカクテルを弄りながら答えた。
嫌がられたら、生きていけそうに無い。
「…嫌がることはしない」
トガは不思議そうに黒霧の方を向いた。
この酒場の地下に、Aを閉じ込めている部屋がある。そこは頑丈であれど、防音ではない。
黒霧と死柄木以外は顔を見たことすらないけれど、
叫んだり泣いた声を聞いたことがないということは、
Aが嫌がったことなど一度も無いということだ。
黒霧はふふ、と笑った。
「死柄木に春が来たようで何よりです」
死柄木はAを想像以上に大切に扱っていた。
食事は健康的なもの、1日三食。
1ヶ月前は少食だったのか全て食べきれなかったが、
ここ最近は全て食べれるようになっている。
触れるのも、彼女の部屋に行く前に両手の薬指はきっちり包帯を巻いている。
家具も質が良いものを選んでいる。
部屋も彼女が眠っている間に、
黒霧がきちんと掃除するよう言われている。
食事を持っていく際にも、時々扉越しに彼女に声をかける。
彼女は食事の準備や何もかもやってもらって申し訳ない、などと鎖で繋がれているとは思えないたくましさだった。
死柄木の配慮の結果だろう。
無論、死柄木は手を出したこともない。
夜は一緒に添って寝るだけ。
だがそれが大したことでは無いことを黒霧は知っている。着実に彼女は死柄木に絆されている。
死柄木の話をするたび、黒霧が死柄木の話をするたび、彼女は楽しそうに笑う。
まるで、幸福の中にいるかの様に。
「でももうすこぉし押さないと…
死柄木くん、意識されないよ？
もうすこぉし、ね？」
それでもトガは不満そうに言う。
Aに会ったことが無いトガは、
死柄木が毎日持って帰ってくる恋バナに刺激が欲しいらしい。
あまりに何度も何度も死柄木の周りをバタバタしながら言うもので、
短気な死柄木は肩を震わせとうとう液体の入ったままのグラスを割った。
「うるせえ、黙ってろ！」
未だ不満そうに頬をふくらますトガヒミコを背に、
死柄木は地下室の部屋に飛び込んだ。
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華羅夢(プロフ) - ぽいぽいさん» 何ですって！！ぜひ死柄木くん推しになってくださいな！！彼は魅力的な男です！！コメント嬉しいですありがとうございます････！ (2021年9月19日 8時) (
レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - この作品で死柄木くん推しに傾きつつある…好きです応援してます頑張ってください!（ノンブレス） (2021年9月19日 7時) (レス) id: 1142a6ee8a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - れのまるさん» うわああありがとうございます･･････！コメントが1番のモチベになるのですごく嬉しいです！頑張りますね！ (2021年9月14日 14時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
れのまる - 死柄木さん最推しなのでこの作品めっちゃ好きです…！これからも応援してます！ (2021年9月14日 7時) (レス) id: ce403bbca4 (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - しいたけさん» しいたけさん、もしかしなくても2回目のコメントですか･････････？コメント来るのが1番嬉しいので、大喜びで話を書いてしまいました！楽しんで頂けて何よりです！！ありがとうございます！ (2021年9月11日 10時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年8月23日 1時
