妄想女子とヲタク男子

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サナ side


目覚ましの音が遠くで聞こえて
うっすらと目を開けると太陽の光が眩しくて
少し目を擦りながら目覚める朝。

フワフワのベッドは真っ白で
一人で寝るには大きいくらい広々としている。

私にも優しい彼氏がいれば
一緒に寝てくれたりするのかな…？








サナ「ほら、おーきーてー！」
彼氏「やだ〜。まだ眠いもん。」
サナ「も〜。じゃあサナ先行くよ？」
彼氏「なんで？」ｷﾞｭｯ
サナ「ｷｬｯ」
彼氏「置いてかないでよ。ね？」
サナ「う、うん////」







あー！！！
そんな甘えたさんな彼氏がいたらもう学校なんてどうでもいいー！！！！



なんて朝から変な妄想をしている私は湊崎紗夏。
人生で最も多感でみんなが口を揃えて「戻りたい」と言う、高校三年生です。


私の人生は言わばイージーモードで
小さい頃からみんなにチヤホヤされ続け、
小学生の頃には、人生なんてチョロいもんだと少し思い始めていた。


でもそれをみんなの前で出しちゃダメだから
毎日必死に必死に隠して
学校では白馬の王子様を待つ天然フワフワ少女を演じている。


そう、「演じている」。


白馬の王子様？そんなのいるわけない。

物心着いてから白馬なんて見た事も無ければ
日本には王子様なんて居ないし
王子様って言えるぐらいイケメンで優しい人とも
生まれてこの方出会ったことがない。
おかげさまで、彼氏もいない。出来たことがない。


そんな超現実的でウブな私も今日で高校三年生。

本性バレないようにしなきゃなって思いながら
重い瞼を明けて準備をし、重い腰を上げて家を出た。


薄ピンク色の自転車で小さな坂道をかけ登って
学校に着くと、みんな私に挨拶をしてくれる。



男1「お、湊崎！おはよー！」
サナ「おはよう〜」
ミナ「おはよ、さーたん。」


この子は名井南。私とは違って超ピュアな女の子。


サナ「おはよう、みーたん。」
ミナ「今日はちょっと早いね。」
サナ「クラス発表楽しみでさ〜。みーたんとまた同じがいいなぁ。」
ミナ「ふふ、そうやね。」


みーたんはすごく美人でスタイルも良くて優しい。
でも、自分の人生がイージーモードって分かってなくて、本当の天然フワフワ少女。


ほら、私とは全然違う。
ちょっと羨ましいなって思うことも多々あるけど
みーたんは私の本性を知ってる唯一の本当の友達。

そんな嫉妬より全然、信頼・友情の方が大きい。


同じクラスにみーたんが居ないと
私死んじゃうよ……(´；ω；｀)

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