サイコパスの村 【キヨ】

25話 ページ26

『…………そ、れ………』

「どうした？顔色悪いぞ」



キヨさんの手が私の方に伸びる





『――――――――っ、さわらないで！！！』

「えっ……？」







知ってる

私はこの靴の持ち主を知ってる




【ここの森を抜けたところに――――――】




なんでここに落ちているのか知ってる




【気が付いたら―――が脱げていた】




なんでこの靴が真っ赤なのか知ってる



【足がぼろぼろだった】







『キヨさん……私は、どこの子なの？』


「え？……そりゃあ、この森の向こうの子だろ」




じゃあ私の住んでいた村からしたら
あの村は









ここの森を抜けたところに―――――？









『………あ、……ぁああ………

いやあああああああああああああああああああああっ！！！！！！』




「A？大丈夫か、今すぐ村に帰って…」

『私の住んでた村は何処！！女の子はあの夜どうなっちゃったの！！？
本当に遊んでただけなの！！！？』


「……とりあえず落ち着けって」
『落ち着けるわけないよ！！！！！



………ねえ、キヨお兄さん』








私、思い出したよ

記憶を失う前の、本当の私の名前





私の本当の名前は









.









『なんで、私の名前を知ってたの……？』









お兄さんがつけてくれた名前だよ？

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