5話 ページ8
蛇神side
子供はかさくんと同じぐらいの身長の小さな少女だった。
細く、痩せこけた体にもうもがく体力も残っていないのだろうか簡単に抱え込むことが出来た。
男達が帰って行ったのを見計らって水面上に出る。
やっぱり雨は降っているがとりあえずかさくんの木の下に横たえる
「ちょっと、しっかりしなよ。」
頬をぺちぺちと叩くが水が胃に溜まって気を失っているのか息もしていなかった
「はぁ。ほんとめんどくさ。」
面倒なものを拾ってしまった。
そう思いつつ少女の体を横に倒して背中を叩いてみる。
水が溜まって息ができないのまでは分かっているが実際に水を吐き出させる方法は知らない
それで叩いてみると、運良く少女は咳き込んで水を吐き出した。
咳をしているからとりあえず息は出来るのだろう。
そう思って少女の腹を見ると規則正しく膨らんでは凹みを繰り返しているのが伺いしれた。
このまま衰弱さえしなければ死ぬことは無いだろう。
そう思って泉に帰ろうとした時だった。
「せなさん?なんで あめのひ なのに そとに でてるんですか?」
かさくんそう言いつつが桜の木から降りてきた
「はぁ。また面倒なのが増えた。」
「くぁぁ!めんどうとは なんなんですか!つかさ だって やくに たつこと できます!」
ふんすと鼻息を荒くしてそう言ってきた
「んじゃあそこのガキの面倒でも見ててよ」
「?.......?!な!なんで こんなところに おんなのこが!しかも!きをうしなって!」
「とりあえず水は吐き出させたから、寒くないようにだけ何とかしてあげれば死にはしないんじゃないの?」
そう言って焦るかさくんを横目にじゃあと泉に帰ろうする。
「あっ!せ!せなさん!」
「うるさいなぁ。なぁに。」
「つかさ!いつも つかさの めんどう みてくれてる せなさんみたいに がんばって このこ の めんどう みます!」
そう言って意気揚々と宣言し少女にせっせと自分の羽織ものを掛けるかさくんを見遣り今度こそは泉に帰った
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作者名:ゆなり | 作成日時:2019年6月4日 22時