1話 ページ3
まともに動かない足で山道を歩く
足の裏にはもう感覚が無くなるほど木や石で出来た傷が多数
少女が歩いた後には血の足跡
じゃらじゃら、じゃりじゃり、ざーざー
大人達が少女にあびせる怒号と嘲りに混じって鎖の音と足音、雨の音が響く
正直もう少女には何も聞こえなかった。聞きたくなかった
______ああ、おなかすいたな。
邪魔者の処分のように生贄として捧げられる前に何か最後に食べさせてもらえるでもなく最後に与えられたのが茶碗1杯の水だけ
まともにご飯を食べれなかった少女にはもう限界が近づいてきていた
「おい、着いたぞ」
少女のもう霞んで見えない目で見ることが出来たのは大きな池。
隣に生えているのは小さな桜の木だろうか。昨日今日と降り続いた雨のせいでもう桜は残っていなかった。
「この池には蛇神様が住んでいる。お前が祟られているせいで村は酷い目にあった。」
「お前は生まれてくるべきじゃなかった」
「祟られているならこの池に身投げし生贄として捧げるのが村の約束なんだ」
まあ本当だかしらんがなと男達が嗤う
もうなんでもいい。
この際生贄じゃなくて殺.された状態で捧げられたかった。と少女
そうしたらこんなに辛い思いをして山を登ることもなかったのに。と。
「さあ、飛び込め。身投げしろ」
背中を強く押され池の前に倒れ込む
「何してるんだ。立て」
「早く池に身投げしろ」
くすくすと嗤う声と罵声
___もういやだ。なにもききたくない。きこえないで。
もう少女の足は動かない
這って池の淵に手を置く
もう、し.ぬんだ。し.ねばきっとらくになる。ぜんせで かがちさま に わるさ を したのなら らいせ はきっと。きっと まだ いま より よくなるだろう。
そう少女は思ってそのまま池の中に頭から落ちて行った
苦しい。臭い。鼻が痛い。目が痛い。
出たいと思うのにもう体が言う事を聞かなかった。
そのままもがく事も出来ずに少女は気がどんどん遠くなっていき、とうとう気を失ってしまった。
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作者名:ゆなり | 作成日時:2019年6月4日 22時