episode 2 ページ4
Aside
本格的な学校生活は明後日からなので,帝丹の校舎の周りを一周して帰宅した。
母が残してくれていた日本の家は,埃一つなく綺麗だった。
3階建ての家はこの周辺では珍しい。
積荷のひもを一本一本解く。思い出の品だと思われるものはこの際!と思い,持ち出してこなかった。
最後の箱に入っているもの以外は。
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引っ越しのための荷造りの日。
「母さん・・・,父さん・・・」
そっとぼやいた。還ってこない両親を思いながら。
ふと顔を上げると目の前にはまだ俺が小さかった頃,アメリカを一周して回った時の最初で最後の家族旅行のたった一枚の,この一生でたった一枚しかない家族全員の写真。
「・・・っ」
唇を強く噛んだ。鋭い痛みが走るが,そんなことはどうでもいい。
あぁ。何故。何故・・・・・
この写真を見るたびにそんな思いは膨らんでいく。写真を手に取り大きく振りかぶる。
しかし,床にたたきつけることはできなかった。振りかぶったまま顔を歪める。
「・・っ,チックショぉぉっぉっっっ!!!!」
叫ぶなり,体はくずおれてダンと床に手をつく。
涙は流さない。
あの日,そう誓った。母も父もいなくなってしまったこの世界で。一人で生き抜いていこう,と。
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写真をそっと段ボールに入れる。
母を。父を。あのときの幸せを。なくしてしまわないように・・・・
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段ボールの中から,そっと写真を取りだした。
フッと薄く笑うと,写真を棚にそっと置く。
「見ててくれよな。母さん。父さん。」
といって,爽快な足取りでまた,家を後にした。
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すんません。駄作者の魔耶です。
感想などはコメ欄にお願いします!(誤字脱字の指摘とかもよろしくお願いします!)
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どうぞよろしくお願い申し上げますで御座います!w
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maya*(プロフ) - まあ…新しい作品楽しみにしてますね!!v(*´>ω<`*)v (2017年12月16日 4時) (レス) id: 6f9da94116 (このIDを非表示/違反報告)
maya*(プロフ) - 目次のとこものすごいわかるんですよ…ありがとう…お気に入り作者にありがたくいれさしてもらいます!あ、名前なんか似てない…?チラッ(/ω・\)読み方が一緒だぁぁぁぁぁ!!……パクってないですよ!?信じて!!! (2017年12月16日 4時) (レス) id: 6f9da94116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魔耶 | 作成日時:2015年8月19日 15時