26,討論。 ページ29
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『どうすればいい』
「なんでキスされたんだよ」
真剣に聞いてくるその姿は正に兄貴のような感じを漂わせている。
『え、と…顔近づけたら「太宰さんにそれをやったら唇を奪われるぞ」って言われたから少し挑発してから距離とったら…』
「芥川の中の太宰ってなんなんだよ」
『いや突っ込むところ違うだろ』
華麗な突っ込みと惚けを繰り返しながらも会話は全く進まない。
「あー…じゃあ…あれだ、芥川は手前のことが好きなんだ、たぶん」
『あ、勘違いしたくないからやめてくれ』
即座に否定するAを、中也は目を丸くし、何かを理解したようだ。
Aが「なに?」と聞けば、中也は呆れたように頭を抱えた。
「なんだこの不器用二人組は。俺の周りにはまともな奴が一人もいねえ…」
『だーかーらあ、センパイがAさんのことが好きとか誰かに言われたくないんだって!』
怒鳴るAをなだめる様子もなく、中也は顔をあげて言った。
「手前も手前で芥川のこと好きなんじゃねェか」
『そう!………なの?』
「いや自覚しろよ」
きょとんとした様子で持っていたクリームパンを落とす。
中也はAに分かるようにと説明し始めた。
「さっき俺が「芥川はAのことが好き」って言ったとき、手前は「勘違いするからやめろ」ッつったろ?そこでもう芥川が好きな疑惑が出る。
挙げ句に「芥川がAを好きだって他人から聞きたくない」ってのは芥川本人から聞きたいってわけだ」
中也の淡々とする説明にAは納得していく。
中也も中也でスッキリしたようだ。
『そうか、好きになる要素が全く分からないけどAはセンパイが好きなのか』
「そうそう、やっと分かったか…っては?」
口をあんぐり開けて中也は固まった。
しかしすぐに真顔に戻り、咳払いをした。
「と、とにかくだ。早いうちに告白しろ、いいな」
少し焦ったように言う中也にAは眉を潜めたが、まあ仕方ないな、といつもの上から目線で言った。
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芥川様LOVE - 芥川様可愛い好き作者様有難う御座います一生付いていきます (2019年11月16日 14時) (レス) id: 40c6fc2ce8 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわ とまと - 銀色ミカンさん» ありがとうございます!!新作もちまちま更新頑張っているので! (2016年12月1日 23時) (レス) id: ac53bb1069 (このIDを非表示/違反報告)
銀色ミカン - 笑いながら読みました。とまとさんの書く芥川かわいいです! (2016年12月1日 17時) (レス) id: 8b3f2e95f6 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわ とまと - あんこさん» 貴方とは話が合いそうですね((キリッ。ありがとうございます!!私はやつがれ小説製造気なので、また新しい作品作りました!ぜひ読んでみてください! (2016年11月29日 22時) (レス) id: ac53bb1069 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - うわあああああんめっちゃ可愛いですうううううう!!!私やつがれ大好きでほんとこんなやつがれちゃんも愛しい…!やつがれちゃんは神と言えるほどのガチ勢で御座います!← もうほんとうへへへって言いながら見てました可愛い無理…ありがとうございます… (2016年11月27日 6時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
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