23,馬鹿。 ページ26
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『センパイこの後どーするの』
まだ手を離さないのか、と誰かが突っ込まないかぎり離す気配のない二人。
Aはお腹が減っていることに気づき、芥川にこの後の予定を聞いてみた。
「…任務がある。が、それは4時までに完了させればいいと」
『へえ、じゃあAの部屋で毒キノコでも食べていく?』
再度働くAの減らず口。
悪戯(いたずら)な笑みを浮かべながら芥川を見た。
「僕は体内の臓器が幾つか無い故、食べなくても生きていれる」
『え!?だからそんなに軽いのか!』
「簡単に信じるな馬鹿者」
冗談に踊らされたAは怒ったように顔を赤らめ、芥川を睨んだ。
『ば、馬鹿と天才は紙一重なんだよ、馬鹿はセンパイの方だっ』
「ほう、では僕の何処が馬鹿か言ってみろ」
ぐぬぬ…とAは顔を歪める。
固く繋いだ手はいまだに離れる気配がない。
『ぜ、全部だよ全部!』
Aはやけくそになって吐き捨てた。
しかし芥川は鼻で笑い、馬鹿にしたようにAを見る。
「貴様の馬鹿なところは無防備でありながらわざわざ危険に立ち向かうところだ阿呆め」
『わざわざ危険なところに立ち向かうのは否定しないけど“無防備”とはなんだ!』
顔をずいっと近づけてAは言った。
こんな会話の始まりは芥川の予定を聞いたところからだと言うのに、全く想像できないほど主旨が反れている。
「それを太宰さんにでもやってみろ、一瞬で唇を奪われるぞ」
わずか数センチの距離で芥川はAをまっすぐ見て言う。
Aはすぐさま芥川を距離を取ったが、繋いでいた手を逆手にとられ、またもとの距離へと引き戻される。
『太宰サンに言っとくからなっ』
「構わぬ、悪いのは貴様だ」
そう言うなり、芥川は触れるだけの、優しいキスをAの唇におとした。
すぐ状況を理解できるAにとっては、驚きを通り越して“無”になっている。
「見ず知らずの輩(やから)に奪われるよりよっぽど良いだろう」
そう、すこし口角をあげながら芥川は唖然とするAに言った。
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芥川様LOVE - 芥川様可愛い好き作者様有難う御座います一生付いていきます (2019年11月16日 14時) (レス) id: 40c6fc2ce8 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわ とまと - 銀色ミカンさん» ありがとうございます!!新作もちまちま更新頑張っているので! (2016年12月1日 23時) (レス) id: ac53bb1069 (このIDを非表示/違反報告)
銀色ミカン - 笑いながら読みました。とまとさんの書く芥川かわいいです! (2016年12月1日 17時) (レス) id: 8b3f2e95f6 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわ とまと - あんこさん» 貴方とは話が合いそうですね((キリッ。ありがとうございます!!私はやつがれ小説製造気なので、また新しい作品作りました!ぜひ読んでみてください! (2016年11月29日 22時) (レス) id: ac53bb1069 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - うわあああああんめっちゃ可愛いですうううううう!!!私やつがれ大好きでほんとこんなやつがれちゃんも愛しい…!やつがれちゃんは神と言えるほどのガチ勢で御座います!← もうほんとうへへへって言いながら見てました可愛い無理…ありがとうございます… (2016年11月27日 6時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
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