ん？恋愛ゲーム？【d!】 (ページ40)

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料理ページ40

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「なんであんな寒そうな格好だったんだ？」
『起きたら12時半でした』
「楽しみで眠れなかったのか？」
『いえ、布団があったかかったので』

ショボくれないで先輩。

私だって時間に間に合わすために左足の小指犠牲にしたんだぞ。あれ割といてぇから覚悟した方がいいぜ。舐めてかかると痛い目見るからな。

『そういえば今から何するんすか』
「よく聞いてくれたな。今から2人でケーキを作ろうと思ってるんだ」

『……市販のでよくないっすか？』
「お前そういうとこな」

くそデカいキッチンに足を踏み入れ、既にバッチリ揃った料理道具と食材に吃驚しながらも渡されたエプロンを身に付けた。

「料理は？」
『出来なくないですけどケーキは作ったことないです』
「奇遇だな俺もだ」
『は？』

何それ完全に失敗するフラグ立ったじゃん今の。一回試作ぐらいしてよ。あーほらクリーム泡立てるの下手くそじゃん飛び散ってる飛び散ってる。

「Aは……楽しいか？」
『学校ですか？楽しいですよ』

「俺が今付き合ってほしいって言ったらどうする？」
『お断りします。あと卵割るのミスらんといてくれません？カッコつけて片手で割るとかダサいにも程があります』
「見てたのか。……さてはお前俺のこと好きやな？」
『先輩のそのぶれないところは尊敬してます』

いそいそと入ってしまった卵の殻を菜箸で取り除いてるカッコ悪い姿はだいぶ面白い。ニヤニヤと見ているのがバレたのか、「お前も仕事しろよ」と怒られてしまった。

いやいや、貴方がクリーム泡立てるの下手すぎたから代わってあげたんですけど！！生徒会長って何でもできるんじゃなかったのかよ！！

「……ふぅ」
『何休んでるんすか先輩』
「かき混ぜるの疲れた」
『めっちゃ電動のやつ使ってるやん……』

この先輩に任せても時間のロスが増えるだけだとようやく気付いたので、無駄に高そうな椅子に座ってぐでっとしている彼からボウルをぶん取ってやった。

しばらくすると寝息が聞こえてきたので「ばーかばーか」と睨みながら型に生地を流し込んだ。

楽しみで眠れなかったのはそっちじゃないか。

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