乱入 ページ29
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「あんな？俺が1人でAの家行ったんはな、」
『私と話したかったからってさっき言ってたやん』
「あれは建前でやな……あのな、今度デートいかん？……って…言おうと……、思った」
声がどんどん小さくなっていく。
そりゃ(表面上は)素直じゃないこいつにとってデートの誘いは結構ハードル高いだろうな。
「いややったら別にええから！俺だってそんなに行きたいわけちゃうし…」
『じゃあ冬休み行こうよ』
「え！？いいん！？」
『いいよ』
「カラオケ行きたい」
『シャオロン歌得意なん？』
「おん！」
『ほんじゃあ行くかー』
嬉しそうでなにより……
私も長らくカラオケ行ってないし、確かに行きたい。
「Aー！！！！」
「やっぱ先行っとったやん！」
「おはようA。今日はテスト返却だな」
「おいお前ら俺についてもなんか言えや」
「あ、おったんやw」
「は？」
「何の話しとったん？」
「別になんも。テスト返ってくるなって話」
……なんで隠すんだろう。まあいいや。
グルッペンとコネシマとロボロって珍しいメンバーだな。
「なあ、そのカバンのキーホルダーって大先生と一緒？」
『あー……うん。この前出掛けたときにUFOキャッチャーで取ってきた』
「ほーん」
あ、これ言っちゃダメなやつ？こいつら顔怖すぎやんごめん鬱、いい奴だったよ。
きっとお前今日こいつらに絞められるよ…good luck……幸運を……南無南無。
「てかさー、俺あんま知らんねんけどグルッペンって勉強できるん？」
「お前知らんのか？俺これでも学年トップ5キープしてんねんぞ」
『…え？』
「嘘つかんでもええで……」
「やめたれ」
聞いた話によると、生徒会長は常に学年トップ15以内にいなければならないらしい。前生徒会長が15位から零れたためグルッペンは1年生にして生徒会長になったそうだ。
【ちょうど去年のこの時期に生徒会長になってテストが14位で危ねーってなったなぁ】と振りかえる彼がおじいさんにしか見えない。
あのときのトン氏は死ぬほど怖かった…オスマン先生まで目開いて怒ってたし…あれ絶対なんか薬キメてたやろ…とボソボソうるさいおじいちゃん()を置いて私たちは学校に向かった。
ようやく置いていかれていることに気づいたグルッペンは急いで駆け寄ってきた。
この人意外と単純なとこあるから弄るの面白いよなーと思いながら【後輩が冷たい……反抗期か……】としょげてるグルッペンを眺めた。
いやほんとおもろいな。
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作者名：算数にがて作者 | 作成日時：2020年8月15日 12時
