赤色 ページ17
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予想以上に頑張るアホ組を見て、私もボーッとしてられないなと思った。
今回は生徒会総出で成績をあげようとしている。せっかくなら私も学年上位10位以内を目指そうじゃないか。
と、いうことで。
私はトントン先輩に教えを乞うことにした。
先輩は【もちろんええよ。理科やんな?】と親切に対応してくれた。
テストを約1週間後に控えた土曜日の今日、朝9時から夕方5時半まで図書館の勉強スペースで先輩と勉強会をすることになった。
『おはようございます先輩』
「え、あ、おう。おはよAさん」
空気が冷たくなってきたこの季節、お互い分厚めの服装で図書館に入った。
「そのキーホルダーどうしたん？」
『これですか？ゆき先輩とお揃いなんですよ。私のが黄色で先輩のが水色』
「はぇー…あの新城が…」
信じ難いとでも言うようにトントン先輩は眉間にシワを寄せた。ゆき先輩はどれだけ悪行を積んできたんだろう。
聞いたところによるとゆき先輩は頭もいいらしく、ずっと上位をキープしてるそうだ。さすが先輩。
トントン先輩たち2年生組からの支持率はすごく悪かったゆき先輩だが、最近はそれが少し緩んできたようだ。そのかわりゆき先輩が嫌悪感を抱くようになってしまったのが現状だが。
【ほんじゃあやろか。わからんとこあったら遠慮なく聞いてや】という先輩の声で勉強を始めた。
来年からは理系と文系を選べるそうなので、今回とあと学年末の1回を頑張れば解放される、と思う。多分。
いつまでも文句を垂れるわけにもいかないので私も真面目にテキストに向かった。
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作者名：算数にがて作者 | 作成日時：2020年8月15日 12時
