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ヒーローはいつでも助けに来てくれるわけではないらしい。
怪力2人組に挟まれて、さっきAちゃんといた場所からは遠く離れてしまっていた。いつの間にか涙も引っ込んでいた。
こんなん絶対Aちゃん見つけられへんやろ、どうすんねん。ここは僕が何とかして自力でこの状況から抜け出さないといけないのかもしれない。
「僕今日彼女と来てるんですいませんが解放してください」
「でも1人だったじゃん。彼氏ひとりにするとかサイテー」
「絶対私たちと遊ぶ方がいいって!」
話通じないタイプだどうしよう。
彼氏を一人にする奴よりどちらかというと彼女を一人にする奴のほうがサイテーな気はするけど。
……まあ僕のことですねハイ。
ってかこれガチでどうすんの?僕このままAちゃんと離れるん嫌やで!?
『すいません人の彼氏勝手に連れてかんとってくれます?……ほい、緑茶いける？一応麦茶も買ったけど』
「Aちゃん……!!」
「は?あんた誰よ」
『話聞いてました?そいつの彼女ですけど』
「泣いてる彼氏を1人にするなんてサイテーね」
『人の彼氏勝手に連れて行くほうが最低やと思いますけどね。ほら、行くで』
はい勝ち!僕の彼女カッコいい!!!
「ありがと……Aちゃんおらんかったらもうどうしようもなかった」
『ほんまやで感謝しろ。普通に焦ったから』
「ごめん」
『いいよ。お茶どっちがいい?』
「緑茶ちょーだい。160円ぐらい?」
『うん。迷惑料として貰ってやろう』
女慣れしてるんやったらあれぐらい自力で何とかなったやろ、と文句を言われた。
いやまぁそうなんやけど、映画で泣いて精神弱ってたし、もっと言うと作戦やとしてもAちゃん以外にあんまそういうこと言いたくなかったし。
……これは恥ずかしいから黙っとこ。
「ゲーセン行こ!!僕の華麗なステップを見るがよい…!!」
『お、期待してるぞ団長』
軍団のことどこで知ったんやろ。シッマとかが言ったんかな。あ、ショッピとチーノかもしれん。僕の陰口言ってそうで怖いわ……
『大丈夫君のクズいところ既に割と知ってるから』
「え」
声出てるタイプやん恥ずかし。
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作者名：算数にがて作者 | 作成日時：2020年8月15日 12時
