五 ページ6
………………… なるほど、そういう事だったのか。
大倶利伽羅は、初期刀を除いた、この本丸の最初の打刀。
そのため、前任の審神者にかなり重宝されていた。
そして、絶大な信頼を得ていた。
その信頼のおかげで、第一部隊の部隊長を常に務めていた。
しかし、ある日の出陣。
戦況を見誤った大倶利伽羅率いた第一部隊が、
検非違使に遭遇してしまった。
そして、検非違使との戦闘で、大倶利伽羅以外の刀剣男士全員が、重傷を負った。
当時の第一部隊は、大倶利伽羅。宗三左文字。堀川国広。厚藤四郎。御手杵。鶴丸国永。
以上六振り。
運悪く、兄弟関係や特別な関係がある刀達が多かったこともあり
その日を境に、大倶利伽羅は孤立し始める。
そして、多くの重傷者を出した事で
審神者からの信頼を失った。
そして後日、前任は突然審神者の任を解かれた。
それを、刀剣男士はこう考えたのだ。
【先の出陣での結果により、主は強制的に審神者の任を解かれたのだ】と。
もちろん、大倶利伽羅もそう考えたのだろう。
そして、さらに風当たりは強くなった。
それが、今の現状。
…………… はぁ、疲れた。
僕は面倒事は嫌いなんだがな。
だが、自分の職場が重苦しい空気なんてもっと嫌いだ。
A｢君もそう思わないかい、三日月宗近。｣
三日月｢はっはっは、外にいたのがバレていたか。｣
そう言って、僕の部屋へと入ってくる三日月。
三日月｢随分と大きな声でまとめていたが、｣
A｢君に聞こえるようにだよ。
それに、君は知っているんだろう？
前任の、……………… クズ野郎の本性を。｣
僕の言葉に、三日月目を見開く。
そして、どこか寂しげな表情をする。
A｢………… あの日、大倶利伽羅は、
決して戦況を見誤ったわけじゃなかった。
アイツは、前任の審神者の言う通りに進軍しただけだったんだ。
大倶利伽羅自身は、何度も前任に帰還許可を要請していた。
だが、それを知っていて進軍させたのは紛れも無い前任だった。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 17人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アルビリオン | 作成日時：2017年9月20日 1時
