【ツイステ】無力な海の王子様【男主】 (ページ10)

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次の日、私は何事もなく学園生活を送った。

さも、【何事も無かったかのように】

フィリウス「………… あ、ユウ。お昼一緒に食べようよ。」

ユウに声をかけると、笑顔で了承してくれる。

フィリウス「………… そう言えば、今日はよくジャックさんと一緒にいるね。」

ジャック「まあ、アズールの好き勝手にさせるのは気に入らねぇしな。」

ユウ「学園長にも頼まれたし、何より皆をどうにかしてあげたいしね。」

本当の恐ろしさを知らない無知な彼が、優しくそう言うのを見て、私は、また頭にノイズが走る。

まただ。

フィリウス「………… ごめんなさい、ちょっとだけ席を外す。」

心を落ち着かせるために、私はその場から離れる。

今度は何。何が見えるの。

頭に入り込んできたのは、【血塗れの何か】

その【記憶】に、私は頭を抱える。

これは何、何のために私の中を乱してくるの？

………… 唯でさえ平常心で居られないのに、これ以上私の心を掻き乱さないでよ。

何で、こんな【記憶】が私の中を侵してくるの？

これは一体誰の【記憶】なの？

暫くすると、段々と落ち着いてきたのか、変な【記憶】は薄れていく。

頭の痛みも少し和らいだのでユウの元へと戻ると、ジャックさんと二人で神妙な顔をしていた。

フィリウス「………… 何か、あった？」

私がそう尋ねると、ユウはあからさまに【嘘をついた】

ユウ「…… ううん、何でもないよ。

それよりお腹すいちゃったよ。早く食べよう。」

……………… 【嘘吐き】

フィリウス「うん、私も。今日は何食べようかなぁ。」

嗚呼、……………… 王族になんてなったおかげで、他人の嘘が手に取るように分かる。

嘘、嘘、嘘。

……………… 何奴も此奴も、嘘ばっかり。

………… 何で、私に隠し事をするの。

…… 私が、無力で愚図でノロマだから、か。

どうせ、私は役立たずだ。