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アズールとジェイドから離れ、なるべく人気のない所へ向かう。
少し薄暗い場所の窓辺に腰掛け、アイツが声を掛けてくるのを待つ。
すると、俺の予想通り、フロイドが小さく俺の名を呼んだ。
その声の方向に視線をやると、驚く事に、拗ねた顔ではなく、今にも泣きそうな顔をしてそこに立っていた。
フィリウス「………… オイオイ、何泣きそうな顔してんだ。
ほら、こっち来い。」
そう言いながら両手を広げると、フロイドはゆっくり俺の腕の中に入ってくる。
フィリウス「どうした?」
ぶっきらぼうで口の悪い俺だが、なるべく優しく声を掛ける。
すると、耳元で啜り泣く声が聞こえてくる。
フィリウス「泣いてちゃわかんねぇよ。
なんか、思う事でもあったんだろ?」
そう聞くと、フロイドは少し震えながら俺の身体を強く抱き締める。
フロイド「……………… さっき、フィルに置いて行かれた時、
すげぇ、冷たかったから…… オレっ、………… 嫌われたんだと、思って…… 」
そう言った直後、フロイドはぽろぽろ泣き始める。
それと同時に、俺に嫌いになりたくないという想いからか、繰り返し謝り始める。
フィリウス「ホント、お前ら双子は馬鹿だよなぁ。
俺がお前を嫌いになるわけないだろ。お前の事は大好きだよ。」
フロイドの背中を優しく撫でながら俺は自分なりに慰める。
なんで、みんな嫌われると思うんだか。
俺に酷い仕打ちをしたり、俺を裏切ったならまだしも、何もしてない相手を嫌いになるわけないだろ。
まぁ、俺の性格とか、言い方に問題があるかもしれねぇが、こればっかりは癖だしなぁ。
フィリウス「…… もし、俺がお前を嫌いになる時は、そんな事があるなら、
それは、お前が俺を嫌いになる時だ。」
そう言うと、フロイド俺の顔を大きな手で包み込み苦しそうな顔をした。
フロイド「オレがフィルを嫌いになるなんてあるわけねぇよ…… 、そんなの絶対無い。」
フィリウス「じゃあ、俺がお前を嫌いになるなんて、そんなの絶対ねェよ。」
そう言って、俺は優しく頬にキスをした。
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作者名:アルビリオン | 作成日時:2020年6月7日 12時