検索窓
今日:2 hit、昨日:13 hit、合計:78,360 hit

86 ページ37

フィリウス「だから?」








意地の悪い笑顔で、わざと挑発するように言うと、ジェイドは堪え性の無い顔をする。













お前、性格悪い癖に俺に虐められるのは割と好きだろ。







俺は、誘うようにジェイドのほほを撫でる。




フィリウス「口に出さなきゃ分かんねぇだろ?





言ってみろよ。」





すると、ジェイドも俺の頬を愛おしそうに撫でる。











ジェイド「………… 貴方が、文字通り欲しいんです。


でも、貴方が、…… 僕だけのものにならない事くらい、分かってるんですよ、昔から。










だから、………… 」




少し、言葉に詰まるジェイド。









嗚呼、なんで気付いてあげられなかったんだかなぁ。





なんて、俺がアズールしか見ようとしてなかったから、か。










さて、ジェイドはなんて言うのかね。





今だけは、僕のものになってください?




僕を愛してください?











………… どれも詰まらんな。なんの捻りもない。



少し考えれば頭に浮かびそうな言葉だ。











ジェイド「……………… だから、



























………… 僕を、貴方のものにして下さい。」






………… ハハ、そう来たか。





お前を俺のモノにする事で、望んだ形じゃなくても、俺との結びつきを強くしていたいんだな。







………… そんな事しなくたって、別にお前を捨てたりなんてしねェんだけどなぁ。






フィリウス「本当にそれでいいんだな?





もし、お前を俺のモノにしたら、主導権は俺にあることになるぞ?」




少し小馬鹿にするように鼻で笑いながらそう言うと、ジェイドは俺の手を取り、甲にキスを落とした。






ジェイド「………… フィルに振り回されるのは、嫌いじゃありません。




それに、こう言えば少しは僕にも目を向けてくれると思ったんですよ。」



こんな事でしか、俺を振り向かせられない、と自分の情けなさを嘲笑うかのように、苦しそうな顔をする。







フィリウス「ホント、不器用だなァ。





分かったよ。今からお前は、お前の全ては俺のモノだ。




誰よりも、俺の言葉を優先しろ。分かったな?」

87→←85



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (66 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
545人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:アルビリオン | 作成日時:2020年6月7日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。