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フィリウス「だから?」
意地の悪い笑顔で、わざと挑発するように言うと、ジェイドは堪え性の無い顔をする。
お前、性格悪い癖に俺に虐められるのは割と好きだろ。
俺は、誘うようにジェイドのほほを撫でる。
フィリウス「口に出さなきゃ分かんねぇだろ?
言ってみろよ。」
すると、ジェイドも俺の頬を愛おしそうに撫でる。
ジェイド「………… 貴方が、文字通り欲しいんです。
でも、貴方が、…… 僕だけのものにならない事くらい、分かってるんですよ、昔から。
だから、………… 」
少し、言葉に詰まるジェイド。
嗚呼、なんで気付いてあげられなかったんだかなぁ。
なんて、俺がアズールしか見ようとしてなかったから、か。
さて、ジェイドはなんて言うのかね。
今だけは、僕のものになってください?
僕を愛してください?
………… どれも詰まらんな。なんの捻りもない。
少し考えれば頭に浮かびそうな言葉だ。
ジェイド「……………… だから、
………… 僕を、貴方のものにして下さい。」
………… ハハ、そう来たか。
お前を俺のモノにする事で、望んだ形じゃなくても、俺との結びつきを強くしていたいんだな。
………… そんな事しなくたって、別にお前を捨てたりなんてしねェんだけどなぁ。
フィリウス「本当にそれでいいんだな?
もし、お前を俺のモノにしたら、主導権は俺にあることになるぞ?」
少し小馬鹿にするように鼻で笑いながらそう言うと、ジェイドは俺の手を取り、甲にキスを落とした。
ジェイド「………… フィルに振り回されるのは、嫌いじゃありません。
それに、こう言えば少しは僕にも目を向けてくれると思ったんですよ。」
こんな事でしか、俺を振り向かせられない、と自分の情けなさを嘲笑うかのように、苦しそうな顔をする。
フィリウス「ホント、不器用だなァ。
分かったよ。今からお前は、お前の全ては俺のモノだ。
誰よりも、俺の言葉を優先しろ。分かったな?」
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作者名:アルビリオン | 作成日時:2020年6月7日 12時