【ツイステ】無力な海の王子様【男主】 (ページ25)

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～時は戻り現在～

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目を覚ますと、そこは見知らぬ天井。

見知らぬ部屋。見知らぬベッド。

やれやれ、この記憶があるということは、元に戻ったか。

いや、アズールが【黄金の契約書】の死守に失敗した、というところか。

まあ、あの子が死守出来なかったということは、どう考えたって複数の他者にいじめられてしまったんだろう。可哀想に。

記憶をなくしたあとの出来事は鮮明に覚えている。

ここはナイトレイブンカレッジのディアソムニア寮。マレウス･ドラコニアの部屋。

二日前、意識を手放してからずっとおねんねって訳か。

まさか、俺自身がアズールを拒絶するとは思わなかったな。

アイツめ、差し替えた記憶と性格のせいで自分の首を絞めたか。

いや、単にアイツが俺を美化しすぎていたのか。

………… ハッ、これは多分嫌がらせだな。反射的な。俺には分かるぞ。

………… ふむ、魔力も十分に戻っているようだな。

そして、この建物の一端から溢れ出る負の魔力。

これは、……………… アズールの魔力に酷似しているな。

やれやれ、最後の【あの一言】は相当重荷になってしまったようだね。

仕方ない。迎えに行ってあげなければいけないね。

………… あーくそ、無くしたあとの口調が混ざりやがる。

丁寧口調なんざ気持ち悪ぃ。

面倒なマレウスたちに見つかる前に、俺はアズールの元へと向かう。

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確か、この鏡を通るとオクタヴィネル、アズール達の寮に行けるんだったよな。

そう思い、そこをくぐり抜けると、一気にアズールの魔力が濃くなった。

そして、この空間全てを覆い尽くすような負の感情。

………… 想像していたより拙い状況か、これは。

多分、あと数分もしないうちにあの子はオーバーブロットする。

………… うむ、これは全て俺の責任だな。

だったら、俺がどうにかしてやらないとなぁ。