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彼の手を借りながら、恐らくはディアソムニア寮であろう場所へと辿り着くことが出来た。





フィリウス「…… すみません、ほとんど身体を預けてしまって。



重かった、…… ですよね?」



そう言いながら、顔を見上げてみると、優しく微笑む顔があった。



マレウス「気にする事はない。それに、君に手を貸すのは苦では無い。





困ったら、すぐに僕を頼るといい。」



私の頭を優しく撫でながら、手を取り、その甲にキスを落とした。






その行為に、私は驚きを隠せなかった。










………… 会ったばかりの私に、何でこんなに優しいんだろうなぁ。



不思議。





そう言えば、名前聞いてなかったな。








フィリウス「………… フィリウス・アレシーフェ・デ・コラール。



珊瑚の海の王族家の一派であるアレシーフェ家の第一王子です。


貴方のお名前を伺っても宜しいですか?」






そう尋ねると、彼は少し驚いたような顔をした。




マレウス「………… 聞き間違いかな。





今、第一【王子】と、言ったかい?」




フィリウス「………… よく言われます。



第一【王女】の間違いだろうって、……。」








嗚呼、優しくしてくれたのって、私を女と勘違いしたからか。


なら、きっとこの人はもう私に優しくはしないだろう。







マレウス「…… マレウス・ドラコニアだ。




ディアソムニア寮の寮長も務めているよ。」






まあ、この寮のお偉い方でしたか。




そんな方がこんな私に手を差し伸べてくれるなんて、この寮はきっと素敵なんだろうな。




フィリウス「貴方のような優しい方が寮長さんで安心しました。


どうにか、ここで生きていけそうです。」




そう言って、頑張って笑ってみせると、マレウスさんは少し目を見開いて、顔を背けてしまった。






………… やば、笑顔下手くそだったかな。








最近は家の行事にも出ていなかったから、他人と接する機会が激減して……



他人に笑顔なんて作ったの久しぶりだったから、変に思われたのかな?






うう、変な子だと思われてたらどうしよう……





マレウス「さて、立ち話はこの辺にして、部屋へ行こう。」

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アイ(プロフ) - ほんとにこの小説が好きになりました!!これからも更新頑張ってください!応援してます!!! (2020年5月25日 17時) (レス) id: 55b4dc7f28 (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - ぇぇえええめちゃめちゃ好きです!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年5月25日 16時) (レス) id: 51d12970b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルビリオン | 作成日時:2020年5月25日 1時

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