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私は、幼い頃から魔法が【使えない】体質だった。









何をやってもからきし駄目で、だからこそ従者に何でもかんでも世話をされていた。




まあ、それが鬱陶しくなってよく家出してたんだけど……










フロイドが言っていた通り、やっぱりあの鏡は壊れてるんじゃないかな。





考え込んでいると、また目の前にマレウスさんの顔が現れる。








心臓に悪いなこの顔……




マレウス「何か質問はあるかな?」




フィリウス「いいえ、理解出来ました。ですが納得はしていません。



私、魔法が【使えない】ので。ここで生きていけそうにありません。」




すると、マレウスさんは不可思議そうな顔をして私の顔を覗き込む。





マレウス「…… 魔法が【使えない】、か。





しかし、……………… いや、まさか……」







人の顔をジロジロとみながら何かを呟いている。





フィリウス「………… あの、そろそろ授業とやらに行かないと。」






私の一言で、マレウスさんは考えるのを辞め、私に手を差し伸べる。




マレウス「さあ、教室までエスコートしてあげよう。


まだ、一人では不安だろう?」






また優しく微笑んでくれるマレウスさん。












うん、これはもしかしなくてもかなり甘やかされてる気がする。







別に、嫌じゃないんだけど。




なんで私の周りの人間って、みんな甘やかし体質なんだろうなぁ…… 不思議。






フィリウス「ありがとうございます。




早くひとりで歩けるように、頑張りますね。」





そう言いながら、マレウスさんの手を取り、導かれるままに歩き出した。










私の歩調に合わせながら、ゆっくりとエスコートしてくれるマレウスさん。





マレウス「………… さて、最初の難関だ。



階段だね。足元に気を付けて、ゆっくりで構わないよ。」




…… 成程、ギザギザにものを配置して足場を作る事で上下に移動出来るのか。






でも、踏み外したら落ちてしまうな。気を付けよう。






しかも、足場が狭い。片方に重心を乗せて、バランスを………… ッ!?









右の脚で身体を支えて、左の脚を上げた瞬間、案の定私の世界は回ってしまった。

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アイ(プロフ) - ほんとにこの小説が好きになりました!!これからも更新頑張ってください!応援してます!!! (2020年5月25日 17時) (レス) id: 55b4dc7f28 (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - ぇぇえええめちゃめちゃ好きです!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年5月25日 16時) (レス) id: 51d12970b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルビリオン | 作成日時:2020年5月25日 1時

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