参拾参 ページ34
しのぶ「……………… ちょっと宜しいですか?」
そう言いながら俺に対して【敵意】を向ける胡蝶しのぶ。
………… おかしいな。虚無を発動しているから鬼だとはバレていないはずだ。
なのに、何だ。この嫌な感情は。
義焔「………… 何かな?
ここで話し難い事なら、場所を変えてもいい。」
すると、胡蝶しのぶは俺を人気の無い彼女自身の部屋へ案内する。
しのぶ「……………… ここなら誰も来ません。
貴方、嘘をついていますね?」
そう言いながら俺に日輪刀を向け、鋭く睨んでくる。
義焔「何を根拠にそんなことを?
君はもう少し頭の回る子だと聞いていたけど。」
しのぶ「根拠なら沢山あります。
まず、冨岡さんのご兄弟は熾勇くんです。冨岡さんに兄など存在しません。
もう一つは、仮に貴方が本当に兄だったとして、
……………… あんな状態の冨岡さんを見て、何故そんなにも冷静でいられるのですか?
下手をすれば、命を落としかねない大怪我ですよ?
なのに、焦りも、悲しみもせず、ただ冷徹に冨岡さんをここまで連れてきた。
そんな人を、本当に肉親だと思えますか?」
……………… ッ、……………… っ、
………………………… っく、
義焔「……………… っ、ぷ、…… はは、
……………… ぁははははははっ!」
俺が突然笑い出すと、胡蝶しのぶは俺の首元に日輪刀の刃を当てる。
しのぶ「……………… 何がおかしいのです?
嗚呼、もしかして図星でしたか。だからもう笑うしかないんですね?」
義焔「………………………
貴様に【俺】の何が分かる?」
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作者名:アルビリオン | 作成日時:2020年4月17日 10時