拾肆 ページ15
善逸「なんだぁ………… ちょっと安心したぁ。」
炭治郎「他には、一体どんな血鬼術が?」
興味津々そうに聞いてくる竈門は、実に【変な奴】だった。
普通、敵ではないとわかってももう少しは警戒するものだけどな。
義焔「そうだな。教えておこう。
お前らをここへ連れてきたのは【霧散】と言ってな。
俺の血液がある場所に移動出来るんだ。本当は、一度に運べるのは二人までのはずだったんだが、まあ上手くいったようで安心したよ。
誰も道中に落とさず運べるなんて奇跡だったな。」
最後の言葉に、全員がぎょっとした顔をしていた。
まあ、普通その反応だよな。
義焔「あとは、俺の血液を飲む事で傷を癒す【血癒】。
血液を使って日輪刀と同等の力を持つ日本刀を造り出す【虚空】。
………… それと、口吸いで他者の能力を限界まで引き出す【虚愛】だな。」
口吸いという言葉に、露骨に顔を赤くする我妻。
義焔「何だ?どのくらい引き出せるのか、興味が湧いたか?
なら、今ここで試してやっても…………」
そう言いながら我妻に近づき、誘うように顎を引くと、さらに顔を真っ赤にして目を白黒させた。
からかい甲斐のある奴だな。
そう思いながら、巫山戯て顔を近づけていく。
あと少しで触れそうな時に、俺の体は我妻から思いきり離れていった。
何事かと思うと、今にも怒り狂いそうな義勇が俺の体を抱きしめ、我妻から引き離していた。
義勇「……………… 戯れが過ぎます。」
言葉を慎重に選んで、出てきた言葉はとても控えめなものだった。
本当は頭ごなしに怒りたい癖に、こいつは昔から俺に変な気を遣う。
義焔「………… 他に言いたいことは?」
そう言うと、義勇は途端に顔を真っ赤にしてそっぽを向く。
あはは、愛いやつめ。
義焔「悪いな。今度義勇が居ない時にしてやるよ。」
すると、義勇の腕に力が篭もる。
はは、本当に可愛い弟だ。こんなに嫉妬深かったかな?
そう思いながら竈門達を見ると、義勇を見ながら呆けたように口を開けていた。
どうやら、コイツらの知ってる義勇とは懸け離れた姿らしいな。今の義勇は。
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作者名:アルビリオン | 作成日時:2020年4月17日 10時