拾伍 ページ16
ふと、急に瞼が重くなったのと、意識がぐらついたのがわかった。
成程、時間切れのようだな。
義焔「俺は、これから眠る。次に目覚めた時は熾勇と入れ替わっている筈だ。
あのことの記憶の共有はないから、濁しつつ適当に説明してやってくれ。」
義勇に身体を預けながら、瞳を閉じる。
それじゃあ…… 後は任せるぞ。熾勇……
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気が付くと、僕は兄様のお膝の上に居た。
僕が目を開けると、兄様は少し残念そうな顔をしながら、微笑んだ。
熾勇「………… 兄様、何故ここに?
任務で暫くかかると、…… あれ?でも、救援を要請して、?」
頭の整理が追いついていない僕を見た兄様は、頭を優しく撫でてくれた。
義勇「…… そうだ、炭治郎達が手を貸してくれたおかげで、予定より早く終わったんだ。
礼として、こうして家に呼んでもてなしている所だ。」
その言葉に、僕は辺りを見回す。
……………… 僕と兄様だけの楽園に、どうでもいいのが混ざってる。
熾勇「………… 兄様、おかえりなさい。
御出迎えせず眠っていたなんて、弟として失格ですね。」
眉を下げて言うと、兄様は僕にまた微笑んでくれた。
義勇「いや、いつも大変な思いばかりさせて済まない。
そうだ、炭治郎達の紹介をしなくてはな。」
そう言って兄様は、どうでもいい人達の紹介をしてくれる。
僕は、兄様が居れば他には何もいらないのに。
兄様は、僕に気軽に話せる人を作れとよく言ってくる。
特に、自分の弟弟子の竈門様は同い年だからきっと気が合うだろうだろう、と。
そう言って、いつも夕餉の時の話は竈門様の話ばかり。
だから、僕は竈門様が、大っ嫌いだ。
熾勇「兄様、今日の夕餉は何にしましょう。
疲れた兄様の為に美味しいものを作ります。」
そう言うと、兄様は【最悪】な提案をする。
義勇「………… そうだ、折角だから炭治郎達にもお前の料理を振舞ってやれ。
お前達も、今日はここに泊まるといい。」
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作者名:アルビリオン | 作成日時:2020年4月17日 10時