玖 ページ10
冨岡義勇side
義焔「……………… ったく、惨めったらしい顔してんじゃねぇぞこの愚弟が。」
その声に、俺は息を飲んだ。
突然辺りが光り輝いたかと思うと、すぐそこに、俺がこの世で最も逢いたかった人が立っていた。
義焔「さて、俺の愚弟が随分世話になってるみてぇじゃねえか。
俺に殺される覚悟は出来てんだろうな?」
そう言うと、兄上は俺の喉元をつかんでいる鬼の手を一瞬で切り落す。
そして、咳き込む俺の前に立つ。
義焔「この愚弟が。こんな鬼が湧いてるところで何してやがる。
お前みたいな鬼殺隊の端くれがこんな危険地帯にノコノコ来てんじゃねえぞ。」
俺を睨みつけるその瞳は、紛れもない義焔兄さんだった。
義焔「………… チッ、面倒だな。
さっさと終わらせてやるよ。」
そう言って、兄上は【日輪刀のような刀】で鬼の首を切り落とした。
すると、周りを囲っていた鬼たちの姿は消え、俺と兄上の二人だけになる。
命拾いをしたと、少しだけほっとしていると、兄上は俺の胸ぐらを掴んだ。
義焔「このクソガキ!こんな所に一人でなにやってたんだ!
イイか?お前は今、死にかけてたんだぞ!
俺が来なけりゃ、あんな雑魚鬼に殺されるところだったんだぞ!分かってんのかこの愚弟!」
そう言いながら俺を鋭く睨み、蔑む。
義勇「…… っ、申し訳っ、ありませっ、」
兄上に逢えたことは嬉しい。
だが、また兄上を怒らせてしまった。
すると、俺達の元に何故か炭治郎達が現れた。
炭治郎「義勇さん!!大丈夫ですか!?」
そう言って心配してくれた炭治郎だったが、兄上を見て、その眼光は鋭くなる。
伊之助「てめぇ…… 半半羽織を離しやがれ、【鬼野郎】っ!」
俺は、嘴平の言葉に耳を疑った。
そんな、………… 兄上は、鬼なんかではっ、
頭が混乱していると、嘴平が兄上に向かって斬り掛かってくる。
俺は、気が付いたら兄上を庇うように必死に走っていた。
義勇「やめろっ!!!!!」
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作者名:アルビリオン | 作成日時:2020年4月17日 10時