狂愛 坂田 ページ8
・
「やっぱ、可愛い彼女は可愛いなぁ」
『日本語喋って?』
「日本語喋ってるんやけど」
『ちょっとその日本語私には通じないみたいだわ』
そうやって煽ると、ちょっとムカついたのか。執拗にキスマークをつける作業を止めた。
やめた、かと思えば。
どっかの神話に出てくる吸血鬼に化けでもしたのか、私の首筋に噛み付いてきた。
『──っ!?いったぁ…!!!何してくれてんの…』
「んん〜……愛の印やな」
『愛してるなら丁重に扱ってよ……』
冗談のつもりでそう言うと、さかたんはすっと真面目な顔になる。
そして、自分でつけた私の首筋の歯形の上をそっと舌でなぞり、軽く口付けした。
電気が走ったような、傷口に染みる痛みを感じて。さかたんを見ると、彼は艶めかしく、孕ましい笑みを浮かべていた。
「愛してる奴は傷付けて、治して、俺から離さないようにするんよ?」
『っんな事しなくても…私はさかたんから離れられないし……』
「嬉しい言葉やなぁ…まぁ、俺もAから離れられないんやけどね」
さかたんは私をゆっくり抱擁すると、私の髪に触れるだけのキスをして切なげに微笑む。
「可笑しいなぁ……なんでやろ」そうやって、聞こえるか聞こえないか、小さな声で呟いて。
彼は、自分に使っていたネクタイを解き、私の両手をそれで縛る。
『ど…した、の……』
自分でも気付かなかった。私の声は恐怖に震えている。
さかたんは、今まで私を縛ったことなど一度もなかったから。
「…っ、ごめ、んな」
申し訳なさそうに涙を流すと、縛った両手を離し、自分の部屋に戻っていった坂田。
急いで追いかけて、ドアの隙間から除くと、悲痛な叫びが聞こえる。
「すきで、すきで、仕方が無いのに……大切にしたいのに。なんでやろ、どうしても…
傷付けたくて……仕方が無い…」
傷付けたい……?
すきで、すきで、仕方が無いのに…?
さかたんの好きな人は、私。な、筈で。傷付けたい……。
「なぁ、A…、俺、狂ってんのかもしれん……」
私の事を気付いていたのか、振り返り際に震えた声でそう言ってきたさかた。
私はさかたんに歩み寄り、はぐをする。
狂うほどに私を愛するように、私から離さないように。
狂って、愛して、また、狂って。
狂愛を持つように。仕向けてきたのも、また狂愛。
─
訳わかめ
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ゆもち(プロフ) - ありがとうございます! スランプは何においてもありますからね〜、僕、イラスト書いてるんですけど一時期スランプで… でもスランプって抜けるとそのあと調子いいんですよね!クオリティあがったりとか! こちらこそよろしくお願いします! (2020年4月15日 16時) (レス) id: f7a618a47d (このIDを非表示/違反報告)
むい。(プロフ) - ゆもちさん» 名前変更おめでとうございます!(?)ちょっとすランプ来まして、ログインしてなかったらこんなことに……これからも、こんな私ですが梅毒お願いします! (2020年4月15日 9時) (レス) id: 4c079f6564 (このIDを非表示/違反報告)
ゆもち(プロフ) - なんかあったのかと思ってました…!無事で何よりです!更新頑張ってください! あ、どうでもいいとおもいますが名前変えました 旧ましまろ氏 (2020年4月14日 22時) (レス) id: f7a618a47d (このIDを非表示/違反報告)
むい。(プロフ) - ましまろ氏さん» リクエストありがとうございます〜!!了解しました! (2020年3月12日 8時) (レス) id: 830124773a (このIDを非表示/違反報告)
ましまろ氏(プロフ) - あの!リクエストなんですが… 酔いつぶれたところをEveさんに助けられそのままホテルで最後まで…ていうのが見たいのですが… よろしくお願いします! (2020年3月11日 3時) (レス) id: f7a618a47d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:24suganoya | 作成日時:2019年11月3日 10時