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『はい、薬』


「………」


『はい、じゃあ寝てください』




今の自分の状態では私に勝てないと察したのだろう。
無言ではあるが私の言う事に従ってもぞもぞと布団に入る。




『じゃあ、台所にレンジで温めれるお粥置いてあるから。薬はリビングのテーブル、飲み物は冷蔵庫ね』


「…………」


『あ、ちょっと、寝てなって』




帰り支度をしながらミンハオくんに業務連絡をしているとベッドから上体だけ起こしてこちらを見るミンハオくん。
起き上がるだけでも辛いはずなのに。



ミンハオくんは俯きながら私のことをじろりと見る。
上目遣いのはずだけどこちらからしたら睨まれてるような気にしかなれない。



あ、もしかして飲み物掛けたこと……怒ってる……とか?



いや、まあ怒るのも無理ないけど……でもかけたのは私の失恋に更に追い打ちをかける様な暴言を言ったからであって……でも今の彼は弱っている状態で……



どこから言い訳をしよう、反論をしようと身構えていると、小さな、本当に小さな声で、







「………ありがと、」







とミンハオくんが発した。









何を言われたのか整理できず呆然としていると気まずそうに髪の毛を触りながら一つ一つ、ゆっくりと、小さく話した。




「あと、昨日は、ごめん。……言って良いことと、悪いことがあった……」






たった2日しか関わっていないけれど、この人は相当な不器用なんだと思う。
人見知りもしそうだし、プライドも高いだろう。


そんな人が謝っているのだ。



具合が悪くて、寝ていてもしんどい中で頑張って起き上がって、この風邪の原因である私に向かって謝っている。





今日の朝まで怒りやイラつきでパンパンに膨れていた風船が、しゅう、と音を立ててどんどんとしぼんでいくを感じた。







……こんな素直になられたら、私も素直になるしかないじゃないか。

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設定タグ:ミンハオ , ジス , SEVENTEEN   
作品ジャンル:恋愛
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るちこ(プロフ) - ああああああああハオちゃんんんんんんんんんちゃんんんんんんんんん (11月10日 4時) (レス) @page46 id: c87158ddcc (このIDを非表示/違反報告)
ゆずちゃ(プロフ) - え、最高すぎないんか、ほんとてんさい、はあ、もう余韻が、ありがとうございます。 (6月17日 23時) (レス) @page46 id: 431dcc5ea7 (このIDを非表示/違反報告)
ここここ(プロフ) - 伏線回収やばすぎて鳥肌でした…一気読みしてしまいました…楽しすぎました…主最高ですありがとうございました (5月21日 13時) (レス) @page46 id: 4b95013bd6 (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - こんなに素晴らしい物語は初めてだ!! (2022年10月17日 20時) (レス) @page46 id: dc7d3a4bc1 (このIDを非表示/違反報告)
ぢゃぬん - ハオが‥純愛すぎて‥文字だけなのにむっちゃ照れました‥!神です‥ (2022年9月25日 22時) (レス) @page46 id: 6ab475b0f8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:sumi | 作成日時:2018年3月10日 0時

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