千歳と青春:★ ページ10
突然テニス部に命じられた、夏の水泳学習に向けてのプール掃除。しかし土曜の部活後に呼び出された皆が真面目に清掃をするハズも無く……
「行っくでー!」
「ちょ、金ちゃんやめ」
「水撒きまーす」
「ぎゃっ!アホっ、財前!どこに撒いとんねん!」
「これ人に向ける以外に用途ありましたっけ」
「鬼か!」
「ユウくん!いくでぇっ!」
「来い小春!」
……完全に、遊んでいた。
財前君のホースと金ちゃんのバケツで蜂の巣にされる謙也君。奥の方では一氏君と小春ちゃんがタワシとデッキブラシでカーリングをしていて中々に作業が捗っていない。日没までに終わるかなこれ
「皆楽しそうだね」
「せやなぁ」
白石君と比較的真面目に床を擦る。2人で苦笑いをしながら皆を眺めていると後ろから突然、ドンと背中を押された。水垢で滑りやすくなっている所を押されては踏ん張りが効かない。そのまま前に倒れそうになる
「キャッ」
「ほいっ!」
そんな私のお腹に後ろから腕を回して支えたのは紛れもなく押した犯人、千歳君だった
デッキブラシがバチャンと床に落ちる。
「ちょっと……!もう!びっくりしたぁ」
「隙アリっちゃね」
してやったとばかりにケラケラと笑う千歳君をわざとらしく睨んだ。こうなっては私も仕返しをしなければならない
「財前君!ホースかして!」
「どぞ」
「結局Aちゃんも遊ぶんか」
笑う白石君に背を向け受け取ったホースを千歳君に向けて発射。
「かぁー!冷たか!」
「参ったか!」
太陽に反射した水に虹が掛かる。満身創痍の千歳君に悪い笑みを浮かべていればいつの間にか、目の前にまで接近されていた。
「そげんチートば武器没収ったい!」
「わ!」
攻撃の手を緩めない私の腕を引く千歳君。足元がぬるりと滑り、勢い余って千歳君の胸に衝突した。千歳君もバランスを崩しそのまま2人で大胆に転倒。
手放したホースが暴れ回る
「痛かぁ……」
背中を打った千歳君と千歳君を下敷きにして無傷の私。
千歳君の胸に頬を乗せたまま2人で大爆笑をした
「あははっ、やだ、私達馬鹿みたいっ」
「ははっ、まっこと重たかっ」
「うるさい馬鹿!……ふふっ」
眩しい日の下、しばらく2人で寝転がっていれば見兼ねた白石君にバケツいっぱいの水を掛けられた
千歳と青春
「いつまでイチャイチャしとんねん!」
「小春!俺らも負けてられないで!」
「張り合うなや!」
「いつくっつくんやろなぁ、あの2人」
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光華(プロフ) - 逆からのやつ感動です!!柳君だからこそできることかな?神ですね! (2021年3月11日 21時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)
Haruka Ö(プロフ) - 逆から読むのは凄すぎました!!! (2020年1月27日 23時) (レス) id: 0d992502c1 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 逆から読むのがわからないです…。理解力なくてすみません!!気になるので誰か教えてください! (2020年1月7日 13時) (レス) id: 2a82e997d1 (このIDを非表示/違反報告)
佐和(プロフ) - はじめまして。ろちこさんの作品にはまってます。がっくんのプロポーズ、笑いました。からあげwww逆ハ話も好きですが、誰か個人落ちの話をもっと読んでみたいです。更新頑張ってくださいm(._.)m (2019年8月18日 0時) (レス) id: 892b8d0726 (このIDを非表示/違反報告)
くろかは(プロフ) - ゼクシィじゃねーのが面白すぎたので日常会話で積極的に使っていこうと思います(^ω^) (2019年7月10日 19時) (レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろちこ | 作成日時:2018年4月17日 2時