【D！】最後の晩餐【合作企画】 (ページ39)

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例え話の愛を語り、天使は神に祈る②（kn）ページ39

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全部いつものことだ。
でも私はそんなことを何回されても、心の底からお兄ちゃんを「コネシマ」だと思えなかった。
「聞いとるんか。」
もはや質問でもない言葉。
冷たくてガラスみたいで、そしてどこか孤独そうな声。
お兄ちゃんはごすっと私のお腹を蹴った。サッカーで鍛え上げられた脚力は見事なものだ。私はバランスが取れず、その場に倒れ込んだ。

私の口からは「がふっ……！」っという音とともに、黄色や白なんて色が混ざった液体が出てきた。
私はうまく息ができずこひゅーこひゅーという音が喉の奥から聞こえてくるけれど、お兄ちゃんはそんなことお構いなしに私に馬乗りになる。そしてキスをしてきた。
煙草の苦い香りがするキス。
苦くて、痛くて、冷たくて、それいてすごく寂しいキス。
そんなキスを何回かしたお兄ちゃんは私の制服を脱がしてきた。
カッターシャツもスカートもぐちゃぐちゃで皺になるのが嫌だったけど私は何も言えなかった。
ああ、今日もやるのか。
私はお兄ちゃんの顔を見たくないから、「兄」ではなく「男」の顔をしているコネシマの顔を見たくないから、そっと目を閉じた。

初めてキスされたのは小学2年生のクリスマス。初めて手を上げられたのは小学6年生の夏休み。初めて抱かれたのは中学2年生の誕生日。
そうやっていびつに変化してしまった私たちの関係だって、昔は普通の兄妹だったのだ。
一緒にゲームをやって、たまに勉強を教えてもらえて、お菓子は大きい方をゆずってくれて、私が迷子になったら一番に見つけてくれる、そんな優しくてかっこよくて私だけのたった一人のお兄ちゃんがいた時代も、確かにあったのだ。
そんな子供のころの優しくてあったかい記憶の数々は、お兄ちゃんの脳裏からは完全に、跡形もなく、消え去ってしまったのだろうか。

お兄ちゃんはリビングでの行為が一通り終わったら、私をベッドへ運びまた行為を続けるのだ。そしていつもあの深海のような空気が漂う時間になってから、ようやくその行為は終わりを迎える。
お兄ちゃんはいつも避妊具をつけない。私は毎日ピルを飲まなきゃいけないし、何よりお腹が気持ち悪くて不快だ。
でも我慢しなきゃいけない。
私は一人じゃ生きていけないから。
お兄ちゃんは私の手当てをした後、寝転がる私の髪の毛を梳かしながら、いつも同じようなことを話す。
たぶんそれを私に伝えるつもりはないのだろう。
きっとこの行為は教会の懺悔室で懺悔をしている人間とそう変わらないものなのだ。

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