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風が吹く。その風が何か悲劇を物語るような寂しい風だった。
俺は未御(みお)。ここはとあるビルの上。ガソリン臭くて、でも、火薬の匂いがそれを包むような...。
そう、俺は犯人だ。
father「未御!行くぞ!」
未御「え...嘘...だ...ろ?」
father「どうした?」
俺は気付いてしまった。そこには、たった1人の少女。そう、幼馴染みの黒魔りえ(くろま りえ)だった。
俺は絶望的だった。
俺は...俺はあいつを殺したのだ。
次の日
キーンコーンカーンコーン
先生「皆ー席につけー。」
ガタンガタンゴトッ
先生「皆、昨日のニュースを見たか?」
生徒「高速道路連続爆破事件ですか?」
先生「そうだ。その中の死者は360人、重傷は4800人、軽傷は56800人と言われている。その死者の中に、黒魔りえがいたんだ...。」
ザワザワザワザザワザワ
先生「静かに!」
この日の一限目はこれで埋まった。
俺がやったのに…
でも、もう悲しんだり、後味が悪いことはもうない。
何年もやってるしな...
そう言えば、こんなんになるきっかけはー
5歳の頃だったな。
親もまだ離婚していなかった。
father「未御!連(れん)!ここの扉はぜーったいに開けるなよ!いいな?」
連「分かってるよー。」
未御「行かないよー。」
father「父さんは信じるぞ!」
2人「うん!」
俺はその入ってはいけない、扉を開けてしまったのだ。
今思うと、馬鹿だと思う。
連には内緒で中から細長い棒を持ってきた。
それが...ダイナマイトだった。
そこにはたくさんの導線があった。
ダイナマイトだと知らなかった俺は...切ったんだ。
導線を。
そしたら、外だったから良かったものの、ものすごい音がした。
周りは崩れ、草木は枯れ、俺の体からはボタボタと赤いものが流れた。
それが...それが...
楽しくて楽しくて、たまらない!
でも...あの少女を殺した時は、何故か、悲しくなった。
楽しくなかった。
もし、もし、彼女を生き返らせることが出来るのなら、俺は...ダイナマイト中毒を卒業できるような気がした。
ーたった1人の幼馴染みなのに、何でここまで、真剣になれるのだろう?
何で、ダイナマイト中毒を卒業できるような気がするのだろう?
分からない
だけど…決めた。
俺は決めたら徹底的にやるんだ。
りえを、
黒魔りえを生き返らせる!
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夕霧(プロフ) - 頑張れー (2017年10月11日 18時) (レス) id: b9dbe0360b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白綿彩月 | 作成日時:2017年9月3日 18時