あの日、あの時、あの場所で Ⅱ【Reo】 (ページ2)

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玲於くんはここ最近主演映画のプロモーションとかで忙しいらしく

朝のニュースのエンタメコーナーやネットニュースで見ない日はない。

この人と映画観て終いには家上がってしまって
この人の前でめちゃくちゃ泣いちゃって
しかも本当においしかったか分からない
わたしお手製オムライス食べさせちゃって

冷静に考えたら意味分かんなくなってきたな。

ファンの間では塩と呼ばれてるの知ってるけど

わたしにはそんな感じしないのは
その……友達だと思ってくれてるから……？

あーダメダメ！変に意識しちゃう。

そういえば最近あの夢見なくなったし
玲於くんに話してなんかスッキリしたというか
ちょっと心持ちは違う。

わたしなんかに時間割くほど忙しい日々を送ってるだろうから
なかなかわたしからは連絡をすることはないけれど

玲於くんからはたまに連絡が来るから
必要最低限で返す。

なのに夜たまに電話かけてきたりするから心臓に悪い。

そう、玲於くんの映画を観に行ったことをLINEで送ったら
電話かかってきたんだっけ。

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『はい、Aです』

「もしもし」

『なんですか玲於くん』

「観てくれたの？映画」

『観た！なんか青春っていいね、わたしも学生の頃思い出しちゃったなー……でもあんな顔面偏差値高い人達同級生にいない(笑)』

「ふは、顔面偏差値(笑)」

『玲於くんはね、カッコよすぎる。まあ他の俳優さんもだけど』

「……観てくれてありがとう」

『もう一回観てこようかなあ……でも』

「でも？」

でもキスシーン見てて勝手に恥ずかしくなる……なんて言えない。

『……なんでもない』

「……でも？」

『観たら玲於くんに会いたくなるような、ならないような』

精一杯の誤魔化し。
会ったら絶対緊張するもんな、そもそも会えないよ。

なんか会っちゃいけない気がする。

「なにそれどっち(笑)」

？「佐野さん！」

「あ、ごめんもう切る。戻らないと」

『うん、まだお仕事だったんだね。お疲れ様です。がんばって』

「ん。またね」

電話越しの玲於くんの声を聞きながら

なんだか胸の奥の方が締め付けられるような感じがした。

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