あの日、あの時、あの場所で Ⅱ【Reo】 (ページ1)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:64,937 hit

49 ページ1

*

玲於くんは後片付けを手伝ってくれて

気付けば午後8時半。

『そろそろ帰るね』

「え、もう帰るの？」

……引き止められてる？
なんかこれ以上玲於くんのお家にいると距離感分かんなくなる！ダメ！

『もうってだいぶお邪魔したし、玲於くん明日お仕事でしょ』

「うん。あー明日入り早くなったんだった」

『わたしも帰ってやることあるし』

……まあ実際そこまで急を要する用事はないのだが
こうでも言わないと玲於くんにうまいこと引き止められそうで

「そっか。じゃあ送ってく」

『大丈夫！1人で帰れるから！子供じゃないんだしまだ夜遅くないよ』

「んー、じゃあタクシー呼ぶ」

マンションの下にタクシーを呼んでくれて

玲於くんとは玄関でお別れ。

『今日はありがとうございました。みっともないとこ見せてごめんね……お邪魔しました』

「ん、オムライスおいしかったです」

『ふふ、ありがとう』

「またね」

『バイバイ！明日からもお仕事がんばってね』

しかし玲於くんの前では泣いてばっかりだなわたし……

またしばらく会うことはなさそうだし
次いつ会えるか、次があるのかすら分からないけど

"またね" って言ってもらえるのが今は嬉しかった。

*