緋炎と桜花 #21【煉獄杏寿郎】【鬼滅の刃】

#308 歩くのが早い彼 ページ11

光雄は慎寿郎に向き直り、
丁寧に挨拶する。

「では、煉獄さんのお父上。
息子さんをお借りしますが
よろしいですか？」

「わかった。杏寿郎、
都希さんのところに行ってやれ」

「はい、ありがとうございます！！
では賀茂、案内するから行こうか！」

煉獄は返事も聞かず、すたすたと
歩き出す。

「ちょっと煉獄さん！
歩くの早すぎです！
煉獄さーん！！」

炭治郎の叫びが響いていたが
煉獄には聞こえていなかった。

彼の頭の中では、すでに都希が
起きることは決定事項となっていた。
起きたらどんな話をしよう、
どんなことをしよう。
どこに連れて行ってやろう。

そんなことを考えていた。

「ホントに人の話を聞かない人だなあ…」

炭治郎がため息を吐きながら言う。

「まぁ、それが煉獄さんじゃない？」

善逸も炭治郎に手を貸してあげながら、
立ち上がった。

「確かにそうだよね！」
「そう、そう！」

ふたりは仲良く笑いあいながら
煉獄の後を追う。
その後ろを蜜璃と千寿郎もついて行く。

「もー、お兄様ってば、人の話を
聞いてよね！」
「蜜璃さん、ごめんなさい、うちの兄が
ご迷惑を…」
「全然、大丈夫よ！
千寿郎くんも気に病まないで！」

その会話を聞きながら、
光雄は感心するように呟いた。

「本当に煉獄さんは裏表の無い人ですね。
それでいてあんなに後輩から慕われてるなんて。
だからあんなにいい子の都希さんにも
好かれたんですか…」

そして、男性柱用の客間の扉の前に全員着くと、
煉獄はトントンとノックした。

「なほー！！
客人を連れてきたから入るぞ！！」

「はーい！」
「ハーイ！」

なほと煉獄の鎹鴉の要が答える。

「失礼する！」

煉獄が中に入ると、ぞろぞろと
光雄、炭治郎、善逸、蜜璃、千寿郎が
入った。
結構、密。
大正時代でよかった。

♪───Ｏ(≧∇≦)Ｏ────♪

光雄さんの慎寿郎さんへの
説教、終わりました。
その説教は慎寿郎さんの心には
言葉の暴力として刺さりました。

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