真実と嘘と輝きと part2

生への願い 【次元side】 ページ18

ある部屋へと足早に向かう




大きな扉の前に立つと、ノックもせずに扉を開いた




そこには数人の人間が居て、こちらを見た




次元「話があるんだが」





そう言うと、中央にいる目的の男が手早く人払いをすませた




ゆっくりと残った人物に近づくと、口を開いた








社長「ようやくかい」




次元「知っていやがったな」




ベッドの上で上体を起こし、俺の方を見て微笑んだ




社長「でないと呼ばないさ」




近くの椅子に腰かける




社長「全て、思い出したからここに居るんだろう？」




次元「あぁ」




Aの親父はそのまま頭を下げた




社長「礼が言いたい……Aを助けてくれてありがとう」




次元「辞めろよ、お前のかみさんは死なせちまった」




社長「そうだな、欲を言えばペルラも……なんて思うが、図々しいな」




次元「人の生を願って何が悪い、悪かったな」




そう言って苦しそうに笑う親父に言った




ぽかんと口を開けてくすくすと笑う姿が、ペルラと重なった




社長「さすがペルラの信じた男だな」




そして枕の下からひとつの鍵を取りだした




それを俺に向かって投げると、顔の前で受け取る




社長「スペインだ、ここに行けば全てがわかる」




その言葉に深く頷く




社長「飛行機を手配する…少し時間を貰うが」




次元「いや、こっちで用意する。そういうのが馬鹿みたいに速ぇ女がいるんでな」




そうして笑った

美女と宝→←１つの可能性

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す