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『 え、どちら様・・・? 』
先程まではそこに、銀が座っていた。
・・・銀が。あれ、銀は・・・?
「 え、何・・・コレ。
俺どうなったんだ・・・? 」
この状況から考えるとすれば、銀がこの人になった、と考えるのが道理。
ありえないけど、目の前で見てしまったのだ。
『 ・・・銀? 』
「 え、なんで俺の名前・・・ 」
銀時だけど俺、と。
よく見ればこの人も銀色のくせ毛である。
『 ・・・大丈夫ですか 』
わたしも全く混乱していないわけじゃないけど、わたし以上に混乱している人を前にすれば嫌でも落ち着いてしまうというもの。
「 と、とりあえずなんかスンマセン! 」
『 いや、大丈夫ですけど。
ていうかそう、猫!あなた猫でしたよね? 』
「 ・・・猫? 覚えてない・・・です、 」
猫の姿だったときの記憶がないらしい。
わたし的には助かる。
だってお風呂一緒に入っちゃってるもん。内心ホッとした。
『 今日拾ったんです。ちょうどあなたみたいな、銀色でくせ毛の子。
寝ようと思ってベッドに上がったらボンッて音がして、あなたに変わって 』
「 猫が、俺に・・・? 」
『 はい。
そういえば自己紹介まだですね。古屋Aです。あなたは? 』
「 坂田銀時、です 」
『 ・・・銀、 』
「 どうかしました? 」
これは単なる偶然だろうけど、まさか拾った猫に付けた名前がそのまま・・・というのはさすがに驚く。
『 いや、大丈夫です。
坂田さんは、猫になっちゃう前何してたんですか? 』
「 猫になる前・・・は、長谷川さんと飲んでて・・・。やべェ、そこから記憶ねェ 」
頭を抱えてうずくまった彼の背中をさすりながら、わたしも頭を抱える。
だって、どう考えてもありえない。
なにがどうなったら、酒に酔って猫になるんだ。それに、野良猫ならまだしもダンボールに入った状態で。
『 ちなみに、どこで飲んでました? 』
「 かぶき町、っすね 」
『 ・・・歌舞伎町? 』
行けないことはない。けれど、今から行ったのでは遅すぎる。
それに、歌舞伎町の夜は危ないと聞いたことがある。
『 んー・・・じゃ、今日はもう泊まってってください。
明日、仕事休みなんで一緒に行きましょ 』
「 ・・・いいんすか? 」
『 そりゃ、怪しさ満点ですけど、放ってもおけないです 』
「 ありがとうございます 」
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まかろに - あ,ありがとう生前にこんな素敵な作品を読ませてくれて (2022年5月3日 23時) (レス) @page42 id: 96151534f5 (このIDを非表示/違反報告)
蘇羅蹤(プロフ) - 他の色々な作品と違い、キャラ崩壊が少なく面白いです!頑張ってください。 (2019年3月28日 12時) (レス) id: 7586ab9bf9 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - めっちゃ面白いです!ちょっと見ただけでどハマりしました!銀ちゃん可愛いぃぃぃぃ!!!続きが早く見たい!! (2018年1月19日 1時) (レス) id: 90a9ae15b2 (このIDを非表示/違反報告)
雛罌粟 - すっっっっごいこの作品大好きですっっっっ!!!!応援してます!頑張ってくださいっっ!!! (2018年1月13日 22時) (レス) id: ab7dcc8355 (このIDを非表示/違反報告)
セラ - この作品大大大大大好きです!!! 応援します!がんばれ! (2017年12月14日 6時) (レス) id: cf60114889 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅぴこ | 作成日時:2017年10月6日 0時