しろねこ、ぎんぱつ 【坂田銀時】

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デート、と言っても どこに行くとか具体的に決まってるわけじゃなくて。

手を繋いで、プラプラ歩く。


平日のこの時間帯だからか、どこに行っても人が少ない。

日本人は働きすぎだと思うんだよな、うん。
だって海外に行ったら、平日でもガンガン昼間からお酒飲んだり夜中まで遊んだりしてるよ。

“ 社畜 ” やら “ 過労 ” なんて言葉、海外の人には伝わるんだろうか。



「 あ、あの子可愛い 」



恋人の前で平気でそういうことを言う銀さんに、思いっきりパンチをお見舞いしてやった。

想像以上に効いたのか、銀さん半泣き。ごめん痛かったね。わたしも思ったよ、やりすぎたって。



「 お、お前･･･。ヤキモチは可愛いけどパンチは可愛くねェな･･･ 」



当たり前だ。割と本気のパンチだったもん。だから自分の腕も痛かったぞ。



『 銀さんがあんなこと言うからです 』

「 可愛いとこあんじゃねェか 」

『 うぎゃッ 』



わっしわっしと、大きな手で頭を撫で回される。わたしゃ犬か。



『 もー、ぐちゃぐちゃ！ 』

「 何しても可愛いから大丈夫だ、 」

『 んな･･･！ 』



クイッと繋いだ手を引っ張られて、腰に腕を回される。



「 お前さっきから色んな男に見られてんだぞ 」

『 そ、それなら銀さんだって･･･！ 』



目こそ死んでるけど、かっこいいんだもん。

腰に回った腕をペチンと叩くも、離れない。



「 ママ、見て。あのお兄ちゃんとお姉ちゃん、ギュッてくっついてるよ。らぶらぶだね！ 」

「 まっ。見ちゃいけません！ 」

『 ･･･ほらぁ。教育によろしくないでしょうが 』



んもー、と銀さんを見上げると、あの親子をじっと見つめていた。
まるで、自分の子どもの頃を思い出しているかのよう。



『 ･･･銀さん？ 』

「 、悪い･･･ 」



それがあまりにも儚く見えて、今にも消えちゃいそうで。

思わず彼の手をぎゅっと握った。





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