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「 ふぅ〜ん。
なら俺も回りくどいことしなくていいな 」

『 ぁ、いやその・・・、 』



ガシッと肩を掴まれた。

え、怖い怖い怖い。



「 目ェ瞑れ 」

『 はっ、はい・・・ 』



あぁこれもしかしなくても殴られるわ・・・。

いっそ殺してくれ、と言いたい。
恥ずかしすぎるでしょ、夜の住宅街で “ 好きだよ! ” なんて。



『 ・・・ッん!? 』



唇に、ふにっと柔らかい感触。

驚いて目を開けると同時に離れた。



『 ・・・え、今の・・・ 』

「 わかったか 」



小さく何度も頷く。

さすがにそこまでわたしも鈍感じゃあない。
キスの意味くらいわかる。



『 て、でも・・・ッ 』

「 何、 」

『 銀さん・・・、いつか帰らなきゃいけないし・・・、そしたら会えなくなっちゃうし・・・ 』



モゴモゴしすぎて後半自分でも聞こえないくらいの声量。

それでも銀さんはちゃんと拾ってくれて、わたしの頭を乱暴に撫でる。



「 別世界だの何だの、そんなの関係ねェ。
会えなくなったら、好きじゃなくなんのか? 」

『 それはないッ 』

「 だったら充分じゃねェか。
余計なこと考えなくていいんだ、黙って俺の傍にいろ 」



涙が零れる。

嬉しいのに、いつか離れ離れになるのなんて悲しすぎる。

でも、それでも彼が好き。
だったらもう、それ以外の理由なんていらない。



「 泣くなよ 」

『 だってぇ〜・・・ 』

「 俺だってお前と離れたかねんだよ・・・ 」

『 わっ、 』



グイッと引っ張られて、銀さんの腕の中。

まるですがるように、背中に腕を回された。


あぁ何かあるんだな、って 何も知らないわたしでもわかる。
たぶん身体の傷や時折うなされて呟く “ 松陽 ” の名前と関係してるんだろう。

でも、銀さんが言いたくないのならわたしからは何も聞かない。


言葉には出さないけど、“ 大丈夫だよ ” って意味をこめて、銀さんの腰に腕を回した。



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まかろに - あ,ありがとう生前にこんな素敵な作品を読ませてくれて (2022年5月3日 23時) (レス) @page42 id: 96151534f5 (このIDを非表示/違反報告)
蘇羅蹤(プロフ) - 他の色々な作品と違い、キャラ崩壊が少なく面白いです!頑張ってください。 (2019年3月28日 12時) (レス) id: 7586ab9bf9 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - めっちゃ面白いです!ちょっと見ただけでどハマりしました!銀ちゃん可愛いぃぃぃぃ!!!続きが早く見たい!! (2018年1月19日 1時) (レス) id: 90a9ae15b2 (このIDを非表示/違反報告)
雛罌粟 - すっっっっごいこの作品大好きですっっっっ!!!!応援してます!頑張ってくださいっっ!!! (2018年1月13日 22時) (レス) id: ab7dcc8355 (このIDを非表示/違反報告)
セラ - この作品大大大大大好きです!!! 応援します!がんばれ! (2017年12月14日 6時) (レス) id: cf60114889 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゅぴこ | 作成日時:2017年10月6日 0時

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