しろねこ、ぎんぱつ 【坂田銀時】

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『 ちょっと銀さん、起きてください 』

「 あと２時間･･･ 」

『 長いわ！！ 』



送迎する、と言ってくれた日から三日。

張り切っていたのは初日だけで、二日目からはこの調子である。

ちなみにあの日から、イチノセさんは現れていない。



『 送ってくれるんじゃないんですかー 』

「 眠ィもん 」

『 もんじゃないよ起きてんじゃん 』



揺らし続けているとさすがに目が覚めたらしく、しぶしぶ着替え始めてくれた。

その間にいちごミルクを温めて彼に渡す。
寝起きはあんまり食べないタイプらしく、彼が家にきてからはこれが習慣になっていた。
だから常に、家の冷蔵庫にはいちごミルクのストックが５本はある状態。



『 できましたー？ 』

「 できた 」

『 じゃあ、はい 』

「 ん 」



マグカップを渡すと、両手で持ってフーフーし始める。髪はあちこち跳ねてるし、小さい子供みたいだ。



『 それ飲んだら行きますよ 』

「 おー 」



どうやらフーフーしても熱かったらしく、あちっ と跳ねたのが視界に入った。ごめんあっためすぎたね。



『 こっちとこっち、どっちがいいですか 』



コインネックレスか、レザーの紐にターコイズが通されたネックレス。
どちらもメンズブランドの物だけど、一目惚れして買ったやつだ。



「 こっち。あーいやでも、こっちかな 」



なんだかんだでセンスのいい銀さんに、コーディネートを任せたこともある。彼氏かって。



『 ありがとうございます。
あと髪、寝癖か天パかわかんないですけど凄いことになってますよ 』

「 ･･･ 」

『 ･･･なおった 』



ぐしゃぐしゃ、と掻き回すと直った。
正確に言えば寝癖なんだろうけど、ぐしゃぐしゃしたことで天パに紛れてわからなくなった。


じゃ行きますか、と靴を履いて家を出る。




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